社会

【祝日一覧】国民の祝日ってなに?祝日と祭日の違いとは?

カレンダーを見て、赤い数字が多いとうれしくなります。

土日以外で休みだと、

「今月は祝日があっていいね!」

という気分になります。

この祝日ですが、【国民の祝日】と呼びます。

でもみんな、単純に【祝日】と呼びますよね。

人によっては、祝日ではなく、【祭日】【祝祭日】という言い方をする人もいます。

 

なぜ国民の祝日というのでしょうか。

祝日と祭日は何が違うのでしょうか。

今回は、日本における祝日をテーマとして、国民の祝日に何があるのかや、祝日と祭日の違いなどを学んでいきたいと思います。

Contents

国民の祝日一覧

元日 1月1日 1948年(昭和23年)開始
成人の日 1月第2月曜日 1948年(昭和23年)開始
建国記念の日 2月11日 1966年(昭和41年)開始
天皇誕生日 2月23日 2020年(令和2年)開始
春分の日 3月21日 1948年(昭和23年)開始
昭和の日 4月29日 2007年(平成19年)開始
憲法記念日 5月3日 1948年(昭和23年)開始
みどりの日 5月4日 1989年(平成1年)開始
こどもの日 5月5日 1984年(昭和23年)開始
海の日 7月第3月曜日 1995年(平成7年)開始
山の日 8月11日 2016年(平成28年)開始
敬老の日 9月第3月曜日 1966年(昭和41年)開始
秋分の日 9月22日 1948年(昭和23年)開始
スポーツの日 10月第2月曜日 1966年(昭和41年)開始
文化の日 11月3日 1948年(昭和23年)開始
勤労感謝の日 11月23日 1948年(昭和23年)開始

2020年では、祝日は16日あります。

近年でも山の日(2016年)のように、これまでなかった新しい祝日が制定されています。

日本は海外に比べると、休暇が少なく、もっと休めるようにしようという声もあるため、今後も祝日が増えていくかもしれませんね。

また、2020年の祝日については、東京オリンピック開催予定だったため、海の日が7月23日、スポーツの日が7月24日に変更となっています。

【国民の祝日】とは?

【国民の祝日】は法律用語

【国民の祝日】とは、法律用語になります。

1948年(昭和23年)に施行された「国民の祝日に関する法律」(祝日法)がその根拠となっています。

正式名称が【国民の祝日】とはいえ、わざわざ国民の祝日とよばないですよね。

一般的には、この【国民の祝日】を単に【祝日】とよんでいます。

「国民の祝日に関する法律」の趣旨

「国民の祝日に関する法律」では、第1条で以下のようにあります。

第一条 自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。

1948年に施行された法律ですが、趣旨は伝わるかと思います。

この趣旨のとおりに祝日を過ごせるととても素敵です。

ただのお休みではなく、その祝日の意義に対して、祝い、感謝し、記念する!

勤労感謝の日やこどもの日などはイメージがわきやすいと思います。

一つひとつの祝日にはそれぞれ意義があるので、それに少しだけでも想いをはせることができるといいなと思います。

【国民の祝日】は休日となる

ご存じのとおり、【国民の祝日】は休日となります。

これは、「国民の祝日に関する法律」の第3条に規定されています。

第三条 「国民の祝日」は、休日とする。

2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。

3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。

この法律によって、祝日が日曜日にあたってしまったときは、次の平日(多くは月曜日があたる)が振替休日となります。

しかし、残念なことが1つ。

土曜日に祝日があたったときのことが書かれていないのです!

いつも土曜日祝日になると振替休日もなく、がっかりしていましたが、法律にないため振替休日にできないのです。

そもそもこの法律が出たころは、土曜日といえばふつうに仕事も学校もある時代でした。

今の時代にあわせて土曜日についても振替休日をもらえるようにしてほしいですね。

 

また、第3項では、別の休日が規定されています。

それは、祝日と祝日にはさまれた平日も休日になる!というものです。

通称【国民の休日】

条文のとおり、祝日と祝日の間に平日がある場合、その日も休日にします!というものです。

【国民の祝日】にはどんな意義がある?

「国民の祝日に関する法律」の第2条では、それぞれの祝日の意義についての説明があります。

第二条 「国民の祝日」を次のように定める。

元日 一月一日 年のはじめを祝う。

成人の日 一月の第二月曜日 おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。

建国記念の日 政令で定める日 建国をしのび、国を愛する心を養う。

天皇誕生日 二月二十三日 天皇の誕生日を祝う。

春分の日 春分日 自然をたたえ、生物をいつくしむ。

昭和の日 四月二十九日 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。

憲法記念日 五月三日 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。

みどりの日 五月四日 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。

こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。

海の日 七月の第三月曜日 海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。

山の日 八月十一日 山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。

敬老の日 九月の第三月曜日 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。

秋分の日 秋分日 祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ。

スポーツの日 十月の第二月曜日 スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。

文化の日 十一月三日 自由と平和を愛し、文化をすすめる。

勤労感謝の日 十一月二十三日 勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。

これが祝日の基本となる意義です。

この祝日に本当の意味で意義をもたすことができるのは、われわれ国民一人一人です。

勤労感謝の日に親やパートナーへの感謝を想ったり、こどもの日にすくすく成長する我が子を大切に思う気持ちを確認したり。

ただのお休みで終わらせてしまうともったいないですね。

【国民の祝日】に関するメモ

気づけば『体育の日』が『スポーツの日』に!

私の認識では昔から、

「10月10日(実際は10月第2月曜日)は体育の日!」

だったのですが、2020年からは『スポーツの日』になっていました!

もともとは、1964年に開催された東京オリンピック。

その東京オリンピック開会2周年として、1966年から、10月10日は『体育の日』となりました。

現在のように10月の第2月曜日に変わったのは2000年からです。

これはハッピーマンデー制度によるもので、成人の日や敬老の日、海の日もこの近辺で指定された日付から第〇月曜日と変わっています。

そして、2020年からは、『体育の日』という名称が『スポーツの日』に変更されたのです。

まだ、『スポーツの日』という言葉がなじまないですが、数年後にはしっくりくるようになるのかもしれません。

ハッピーマンデー制度とは?

上記した『スポーツの日』のように、【国民の祝日】の一部を、決まった日付から、第〇月曜日に変更し、土日月と3連休にした制度のことです。

2000年に『スポーツの日(当時体育の日)』と『成人の日』が、2003年『敬老の日』と『海の日』が月曜日へと移行されました。

3連休が多くなるのでうれしい反面、弊害もあります。

たとえば、

〇3連休となることで医療機関に通うことができない

〇忙しい月曜日が休みとなることで週全体に負担がかかる

〇特に前日の金曜日と連休明けの火曜日が大変

〇歴史的経緯を無視しており意義が失われる

といったことがあげられます。

個人的にも、昔から『成人の日』といえば1月15日。

『スポーツの日(体育の日)』といえば10月10日という認識だったので少し妙な気持ちもあります。

祝日には国旗を掲げる?

私の中で国旗が掲揚されているというイメージは小学校や中学校。

平日に掲げて休日は降ろしていますね。

でも祝日になると国旗を掲揚する施設もあります。

よくみるのは公共の施設や交通機関ですね。

こういった施設は、その施設の中の規定で決まっていることが多いです。

昔は個人宅でも国旗を掲げているご家庭がありましたが、その数はかなり減ってきているようです。

国旗=愛国心のあらわれというイメージがあり敬遠する人もいれば、単純に国旗や祝日への思い入れが減ってきているのかもしれません。

祝日と祭日はなにが違う?

よく混同されるのが祝日と祭日です。

「どっちも一緒じゃないの?」

という人もいると思います。

【国民の祝日】の中には、祭日とよばれる日もあります。

でも祝日すべてが祭日なわけではありません。

 

上記したように、1948年に『国民の祝日に関する法律』が制定されて、現在の祝日ができました。

しかし、1948年以前は、かつての休日法である「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」および「休日ニ関スル件」が使われていました。

そこでは、祝日だけでなく祭日由来の休日も。

そのため、同じ休日ということもあり、今も混同されて考えられている部分があります。

ただ、祭日由来とはいえ、法律的には【国民の祝日】であり、祭日とはいいません。

 

祭日は、宗教儀礼上重要な祭祀を行う日のこと。

祝日は、建国や独立などのその国の歴史的な出来事に由来したり、功績のあった人物を称えて制定された記念日。

明確に違うものだと思っていただければと思います。

おわりに

簡単ではありますが祝日についての紹介をしてきました。

祝日といえばお休み!という人もいると思いますが、そのときに上記したような祝日の意義を考えて過ごせると、これまでよりもより充実した祝日を過ごせるのではないでしょうか。

一つ一つの祝日に意義があり、歴史的背景があります。

そうしたことを知ることで、一人の日本人としての厚みも出てくる気がします。