三線(沖縄三味線)

三線の種類と選び方。初心者が購入するときに考えるポイント

「三線を始めよう!」

そう思った人は、お店を探すか、ネットで探すかすると思います。

そのときにきっと悩みます。

「三線にもなんか種類あるんだけど」

「これってどれを選べばいいの?」

今回は、三線の種類にどういうものがあるのか。

実際にどれを選択すればいいのかを紹介していきます。

Contents

三線の胴の違いによる4つの種類

「三線は三線じゃないの?」

と私は最初思っていました。

 

でも、いざ購入しようと思うと、いろんな違いがあります。

厳密に種類の話をすると、三線には7つの型があるという話になります。

そちらについては別の記事に書いたので興味がある人はこちらを読んでみてください。

今回は、三線の蛇皮を張る部分である胴(チーガ)の違いによる種類について。

大きくわけると、

〇本張り

〇強化張り

〇人工皮

〇カンカラ三線

といった種類があります。

胴に張る蛇皮は本物か人工か

三線の丸い部分を胴(チーガ)といいますが、そこに蛇皮が張られています。

ここの部分のことですね。

ちなみにこれは強化張りといわれるものになります。

 

ちなみに蛇皮といっても、

「沖縄だからハブ!」

というわけではありません。

ハブは小さいから三線に使うほど皮が取れないんですね。

ニシキヘビの皮を使って作られています。

 

これが、本物の蛇皮か人口のナイロンで作られたものかでぜんぜん違うものになります。

 

大きくは、本張り強化張り人工皮とあります。

それにプラスして少し変わったカンカラ三線という三線が存在します。

本張り

本張りとは本物の蛇皮を使った三線になります。

『本皮一枚張り』とも呼ばれます。

 

本張りの良いところは、その音の良さになります!

強化張りや人工皮と比較してみると、三線を弾かない人でも違いがわかります。

 

でもその代わりに、破れやすくもあります。

ふつうに使っていればそこまで簡単に破れるものではありませんが、しばらく放置していたり、乾燥の強い場所に置いておいたりすると破れやすくはなります。

しっかりふだんから使ってあげて、数か月に1回ハブ油でメンテナンスしてあげてください。

強化張り

強化張りは、本物の蛇皮の下に、破れにくくするための布を張りつけて二重にしたものです。

 

本張りに比べると、破れにくいことがメリットです!

見た目にも、蛇皮であることがしっかりわかるので、三線が届いたときには嬉しい気持ちが湧き上がります!

 

その代わりに音は、悪くはないのですが本張りに比べると少し劣ります。

人工皮

人工皮とは、蛇皮模様のナイロンのシートを張ったものです。

 

これはとても破れにくいものです。

メンテナンスも必要ないのが素敵です。

値段的にも、本物の蛇皮でない分、安価になります。

 

その代わり、明らかに人口のものだということがわかってしまいます。

一人で練習する分には構いませんが、他の人と一緒になると、違いが目についてちょっとがっくりくるかも。

また、音も、本張り、強化張りよりも更に劣ります。

カンカラ三線

空き缶を胴(チーガ)の部分に使用した三線です。

メリットは安いこと!

そして軽いこと!

 

とはいえ、三線を購入して練習していこうという人はあまり選ばない三線です。

沖縄に行ったお土産にはいいかもしれないですね。

ふつうの三線とはサイズも変わってしまうので、カンカラ三線に慣れてしまうとふつうの三線に移行するときに、うまく弾けない弊害もあるそうです。

3種類の張り方のによる違い

上記したとおり、それぞれメリットデメリットがあります。

一般的に、弾いたときの音の良さは、

本張り>強化張り>人工皮

となります。

 

そして値段も同じように、

本張り>強化張り>人工皮

 

破けにくさは、この逆で、

人工皮>強化張り>本張り

となり、メンテナンスの手間も、人工皮の方が圧倒的にかかりません。

本張りだと、本物の蛇の皮を使っている分、湿気に弱かったり、破けやすかったりします。

人工皮だと、ナイロン製のため、とても丈夫で、めったなことがなければ破けないし、湿気もそこまで気になりません。

強化張りはその中間だと思ってもらえればいいかと。

 

中には本物の蛇皮だと気持ち悪いという人もいると思います。

そうした人は人工のものでもいいと思います。

個人的には、本張りや強化張りの方がかっこいいなと思ってしまいます。

せっかく三線を持つなら蛇皮に憧れる人も多いのでは。

私が初心者におすすめするのは

私がおすすめするとしたら、強化張りです。

音もそれなりに良いものですし、破れにくいことも魅力です。

そして何よりも、蛇皮がかっこいい!

人工皮にしてしまうと、最初はよくても、だんだん蛇皮のものがほしくなると思います。

音もやはり劣るので、安くても人工皮はおすすめしません。

本張りでもいいのですが、

〇強化張りの方が破けにくい

〇破けたときの張替えの手間

ということを考えると初心者は強化張りからがいいかなと思います。

弦が切れるのはどの三線でもあることなので、張り直せばいいですが、蛇皮を張るのはハードルが高いですし、張ってくれるところも近くにあるとは限りませんしね。

 

ただ、購入をする時点で、

〇長く続ける気持ちが固まっている

〇三線教室に通うなどして本格的にやりたい

〇メンテナンスをきちんとする気持ちがある

といった人であれば本張りからの方がいいと思います。

 

私自身も、最初は強化張りの三線からスタートしました。

私の場合は、本物の皮を使ったものの方が、自分自身が愛して、大切に使えるという気持ちの部分が大きかったように思います。

また、本張りではなく、強化張りを選んだのは、丈夫だからという点も大きかったです。

 

どの楽器にしてもそうですが、修理することに慣れていないうちは、張り直すのが少し億劫になります。

そうした自分のめんどうくさがりな部分もあって、長く続けるにはこれかなと思い選びました。

まとめ

ここまで、4つの種類を紹介してきました。

ざっくりとまとめると、

〇本格的にやる決意がある!メンテナンスもへっちゃら!→本張り

〇やっぱり蛇皮かっこいい!でも破れにくいほうがいいな→強化張り

〇できるだけ安くて、手間のいらないもの!→人工皮

〇沖縄旅行の記念に→カンカラ三線

というところです。

先ほども書きましたが、私としては、初心者には強化張りがいいかなと思っています。

沖縄みたいに蛇皮を張り直してくれるところがたくさんあるならいいんですが、周りにないなら、丈夫さがとても大切になります。

自分の好みに合うものを考えて選んでもらえればと思います。