公務員

公務員の副業で処分されるとどうなる?処分の実例を紹介!

「公務員だって副業をしたい!!」

これは多くの公務員が思う心の叫びでしょう!

私も公務員だったときは、どうにか副業をできないものかと模索したものです。

結局、許可されている副業って、不動産や株などの投資、農業、太陽光発電といったもので、なかなかハードルが高かったりするんですよね。

最近は、副業も一部解禁されたので、申請をすれば、スポーツ少年団のコーチとか、地域での講演なんかもできるようにはなりました。

でも、副業をしたい!稼ぎたい!という人の気持ちとはかなりずれた内容ではあります。

だからついつい許可されていない副業に手を出してしまう公務員も中にはいます。

ではそうした人ってもしばれたらどうなるのか。

ここでは、過去に副業をして処分された公務員の事例を紹介していきます。

Contents

公務員の4つの懲戒処分について

副業で処分!

といってもどんな処分があるのかを最初に紹介しておきます。

公務員の処分は懲戒処分って言い方をします。

懲戒処分には以下の4つがあります。

免職……職員の身分を剥奪し、公務員関係から排除するもの

停職……1日以上1年以下の期間、職員としての身分を保有させたまま職務に従事させないもの(その間の給与は不支給)

減給……1年以下の期間、基本給の月額の5分の1以下に相当する額を給与から減額するもの

戒告……その責任を確認し、及びその将来を戒めるもの

見てわかる通り、上の免職から順番に厳しい処分となります。

この免職…ようするにクビってことですが、これって本当に滅多に受けることのない処分ですね。

停職でも割合は少なくて、減給か戒告処分を受ける人が多い印象です。

軽そうに見える処分も実はけっこう重たい……

減給としてもよく事例として見るのは、

30歳男性。減給10分の1。3か月。

みたいな感じですね。

そのままですが、30歳の男性が問題を起こしたので、3か月間、給料を10分の1減らしますよという通達です。

これって、処分として甘いなって感じるかもしれません。

たとえば30万円の給料をもらっている人だったら、3か月間給料は27万円ですよーってことですよね。

給料けっこうもらってんじゃん!

合計しても9万円の損にしかなりません。

「だったら副業で稼いだ分の方が多いんじゃないの?」

って思う人もいるんじゃないでしょうか。

ぶっちゃけ私も新人だった頃は、

「そんなことしてるのにそんな処分って公務員甘いなあ」

と思っていました。

でもこの処分を受けて実際には9万円どころの話ではないんですね。

こうした懲戒処分を受けた人というのは、その後の査定にもかなり影響があります。

査定というのは、給料が上がったりとかボーナスの額とか、昇進とかそういったものですね。

公務員ってなにもしなければ毎年給料が上がっていきます。

今は50代に入ると頭打ちといってそれ以上上がらなくなりましたが、若い世代では当たり前のように増えていきます。

まず処分を受けるとこれが上がりません。

毎年月の給料が5000円増えていたとしたらこれがなくなるということですね。

5000円って実はバカにならない金額なんですよね。

先ほどの30歳男性でいえば、定年が65歳とするとあと35年働きますね。

つまり、

5000円×12か月×35年=210万円

単純計算で、210万円の給料を失ったといえます。

さらに処分によってはその年のボーナスも出ません。

勤務年数にもよりますが、50万円~80万円くらいでしょうか。

そして昇進にも影響が出ます。

公務員も民間ほどではありませんが、昇進レースが存在します。

そこから脱落をすると考えるとどれだけの被害があるのか想像つくことでしょう。

ついでにいうと、一度処分を受けた人間ってそれだけで信用がガタ落ちです。

公務員の世界ってその処分歴が退職するまでついて回るので、将来的ないろんなことにそこは引っかかっていきます。

実際に、減給とか停職くらいの処分だったとしても、職場にいづらくなって公務員を辞めるというケースはかなり多いです。

免職となった実例

訪問介護員として報酬を得ていた

2018年の処分になります。

母親が介護が必要な状態になったときに、職員自身が介護を行っていました。

しかし、本来ならそこに報酬が発生しないはずなのに、職員は訪問介護員の立場で行い、報酬を得ていたという事例です。

懲戒免職となっています。

家庭日用品の販売

1997年の事例です。

教え子や知人に対して、化粧品や家庭日用品を販売していました。

論旨免職となっています。

※論旨免職は、重大事案を起こしたときに退職を促されて辞めることです。懲戒免職と違って少しですが退職金が出ることもあります。

複数の飲食店でのアルバイト

これは割と有名な2017年の事例ですね。

職員が勤務時間外に複数の飲食店でアルバイトをして給与を得ていたというものです。

勤務時間中に居眠りをしたり、勝手な離席もあったことから疑われ発覚したようです。

勤務時間外なら……と思う人もいるかと思いますが、本業に影響が出ている時点で、職務専念義務違反にはなりますよね。

消防士が他事業の経営

1999年の事例です。

消防士が他事業(ダイヤルQ2というテレフォンクラブのような事業)を運営していたことによる懲戒処分です。

その消防士は懲戒処分の取り消しを求めて裁判を行っていましたが、当然取り消されるはずもない事例ですね。

他事業の経営は反論の余地なく処分の対象となります。

海上自衛隊員が風俗店を経営

2020年に海上自衛隊員が風俗店を経営していた事例です。

上記同様、他事業の経営は違法となるため処分の対象となりました。

この自衛隊員はそれだけでなく、インターネットで性的な解説書を販売したり、職務上の秘密を顧客に流すという情報漏洩違反を行ったりもしていました。

免職になる事例を5つ紹介しましたが、懲戒免職となるのはかなり大きな事案です。

特に無許可の他事業経営がそれにあたるので、

「公務員は他の仕事をしてはいけない!」

ということを忘れないようにしましょう。

停職となった事例

病休中にプールでアルバイト

病気休暇を申請していた職員が、妻の経営するプールでアルバイトをしていたという事例です。

アルバイトをしていた期間は46日間。

どうやって発覚したんでしょうね?

結果、6か月の停職処分となりました。

病気で休んでいたはずなのにアルバイトをしていたので当然許されることではないですね。

病気休暇なら満額ではないですが、収入があったのに、停職となったためその期間は給与も支払われません。

無許可の大規模農業をした

1988年~2015年にかけて、無許可で水田の耕作をしていた事例です。

その範囲は最大で7ヘクタール!!

1ヘクタールが1万平方メートルです。

100m×100mが1ヘクタールなのでそれの7倍!

かなりの広範囲にわたりますね。

小規模農業であれば申請はいりませんが、広大な土地で行うためには許可申請が必須となります。

6か月の停職となっています。

金券ショップの利用で利益を得ていた

職員が金券ショップで割安で購入した新幹線や航空機のチケットを払い戻すことで差額分の利益を得ていた事例です。

その金額がなんと12年間で1500万円!!

発覚当時は「錬金術」だとして報道されていたようです。

これは金額が大きいこともあり兼業だとして処分を受けましたが、それ以前にこの方は利益を税務署に申告もしていなかったようです。

いまはメルカリみたいにネットで物を売ることってありますよね。

これが不用品を売ったくらいなら問題はありませんが、「せどり」のように転売を繰り返すと、一つの事業として見られる可能性もあるので気をつけないといけません。

キャバクラの送迎のアルバイト

大阪市の職員がキャバクラの送迎のアルバイトをしていたという事例です。

停職6か月となかなか厳しい処分ですね。

副業をしていたということも問題ですが、一度指摘をされたときに否定をしてにも関わらず、その後に送迎をしているところを市の職員に見つかったため、より処分が重くなったのでしょう。

そもそもなぜそんな明らかに危険なアルバイトを始めたのか疑問ではあります。

22年間声優として活動をしていた

福岡県で運転手を務める職員が22年間にも渡って声優をしていたという事例です。

22年間ってかなりすごいですよね。

もともと、採用前からフリーの声優として活動をしていたようです。

処分では5年間で1400万円の収入とありますが、それ以前については処分の対象から外れてしまうため、実際どれくらいの収入があったのかはわかりません。

しかし、声優だとしたら、自分の声が表に出るわけでばれそうなものなのに、22年間も気づかれなかったというのもそれはそれですごいかもしれませんね。

減給となった事例

実態のないダミー会社

2009年の事例です。

実態のないダミー会社を設立して、マンション賃貸を通じて年間約2500万円の収入を得ていました。

減給10分の2(3か月)となりました。

マンション賃貸なら申請すれば基本的には許可される内容なのにバカなことをしたものです。

ダミー会社だから、税金を少しでも払わないで済むようにしたかったんですかね。

無許可のアパート経営

こちらも賃貸の事例ですね。

首長に許可を得ずにアパート経営を行い、年間約600万円の収入を得ていた事例です。

こちらも上記同様に、申請をすれば許可されていた内容です。

事例を見ていくと、減給のところになると、申請していなかったために処分されている公務員の方がけっこういます。

これ以外にも、無許可で民泊の営業をしていたという事例もありました。

面倒だとしても、許可をもらうことがとにかく大切です。

勤務時間中に執筆

2019年の事例です。

勤務時間中に副業の原稿の執筆作業をしており処分を受けています。

原稿の執筆ってちょっとカッコいい気もしますが、勤務時間中はよろしくない。

減給10分の1(1か月)となりました。

職務専念義務違反というやつです。

処分としてはかなり軽い方ですかね。

仕事は仕事、副業は副業できちんとわけなきゃだめです。

化粧品の販売

2002年の事例です。

化粧品の連鎖販売で販売会社から報酬を得ていました。

減給10分の1(2か月)となりました。

連鎖販売だから、一度自分のところに仕入れて、それを知人などに購入してもらうよくある商売のことだと思います。

私の友人もやっている人がいましたが、なかなか友人をなくす商売ですね。

この副業がばれたってことは、公務員の同僚に販売しようとしたんでしょうか?

公務員の副業は許可される範囲で行いましょう

簡単ですが、公務員の副業で処分された事例を紹介してきました。

見てみるとわかりますが、どれもちょっとやってもばれないかなと頭をよぎるようなものです。

でも実際にはこれだけばれて処分を受けています。

最近は、

「公務員がばれずにできる副業!」

なんて紹介しているサイトもありますが、あまりそれを見てその気になるのは危険だと思っておきましょう。

もしばれたときに公務員を辞める覚悟があるのなら、そこは自己責任ですが、公務員という身分はそうそう捨てるには惜しいものです。

どうしても副業をするのであれば、許可される範囲内で考えていきましょう。

私が公務員だったときも、かなりの同僚が株などの投資は行っていました。

一緒に勤務した方だけでも、3名が不動産投資をして、かなり自由な生活をしていました。

やり方によっては公務員も、本業以外で稼ぐことはできるので、あまり無理はせずに堅実にやるのが一番です。