公務員

公務員は割とブラック!配属先次第で天国にも地獄にも。楽で安定と思っている人は注意!

「公務員って安定している」

「公務員はノルマもないし楽!」

というイメージを持って公務員を目指す人もいるかと思います。

そんな人は気をつけた方がいいですよ。

公務員ってけっこうブラックです!!

もちろんそれはどこの部署で働くかによります。

私が十数年公務員として勤めた中で、特に厳しかったのはそのうちの3年間。

このときは本気で辞めたいと思ってしまいましたね。

ここでは、

「公務員もブラックなところがあるんだよ」

ということを紹介していきます。

Contents

意外とブラックな公務員~私の体験~

昇進とともに待っていた地獄

私は十数年、公務員として勤めていました。

もともと、それなりに残業をすることもあり、日中も忙しく、仕事も多い部署に配属されていました。

それでも繁忙期が過ぎれば5時の定時に帰れることもありましたし、多少の年休を消化することもできました。

しかし、公務員になって10年を超えたある年。

とある部署の係長になって生活が一変します。

〇前任者が残した大量の仕事

〇上級官庁から来る急な依頼

〇仕事を受け付けてくれない部下

〇問題行動の多い部下

これらによって残業&休日出勤の日々が待っていたのです。

引継ぎのできないつらさ

さあ係長になって仕事をしよう!

と思ってもまったく新しい部署でいきなり係長に任命されたものだから正直何もわからない状態からのスタートでした。

公務員の人事って発表されるのが遅いんですよね。

私が係長にと言われたのも3月1日でした。

新年度まであと一か月しかなかったんですね。

急いで引継ぎをしようと思っても、私は私で仕事があるし、前任者も年度末の忙しさがあり引継ぎができるような状態ではない。

実際、引継ぎ用の資料を作ろうと頑張ってくれてはいたのですが、最低限重要なもの以外は途中で文章が終わっていたり、タイトルしか入っていなかったり。

ようやくもらった引継ぎ日も、私の急な出張のため何もできず。

さらに前任者は同じ施設内の内部異動ではなく、別の施設への転勤だったため、

「これがわからない!前任者ーー!!!」

と思ってもすぐに話も聞けないものだから自分で資料をあたって考えるしかない。

人事を考えるのはもっと上の施設の人だから、こういった現場の状況ってあまり考慮してくれていないんですよね。

困った部下たちに頭を抱える日々

当時は3人の部下がいました。

1人はまだ採用年数も若く、こちらの指示も聞いてくれるのですが、いかんせんまだまだ知識も経験も浅く仕事は他よりちょっと少なめといったところ。

でも彼はかなりいい方でした。

 

問題は残りの二人。

1人は仕事もばりばりできる50歳前後のベテラン。

その部署での仕事歴もあり、言わなくても仕事はしてくれるのでかなり助かりました。

しかし、その人は、

「私の仕事はここまでだから」

とはっきりと線引きをする人でした。

急な案件が起きたとしても、

「いやそれは係長の仕事だから」

といって絶対に自分の領域には入れさせようとしませんでした。

私が毎日22時まで残業をしていても、彼は定時で帰り、年休もしっかりと使いきる。

たくさんの仕事を抱えて明らかに厳しそうだとわかっていても、

「大変だね」

というだけ。

仕事を頼んでも、

「それは違うでしょ。私の仕事ではないから。自分でやらないと」

最終的にはどうにもならないので、上司にお願いをして仕事の割り振りを仕切ってもらいました。

長く勤めている人だとこうした自分の領域を崩されないような意識を持つ人もいてしんどかったです。

もう1人はもっと問題のある職員。

こちらは五十代後半の方でした。

この人はもうそもそも仕事をしない。

本来のその人の仕事なのに、仕事を振ると逆ギレをする。

もしやってくれたとしても、ミスが多すぎて結局こちらで調べ直してやらなくてはいけない。

更には、若い職員やパートできているおばちゃんをいじめたり、やたらと役所内のものを壊したりする。

でもはっきりとした証拠がないからといって、上は処分もしない。

「仕事をしないだけならまだましなんだな」

と感じてしまうような相手でした。

当時の生活を振り返ると残業100時間越え……

当時の自分を振り返ってみるとこんな生活でした。

〇朝、7時に職場到着

〇他の職員が来るまでに少しでも仕事を進める

〇8時半の勤務時間となり、部下や他部署からの質問や問い合わせに対応

〇昼休みは10分で食事を終えて仕事

〇午後もほぼ休むことなく仕事・仕事

〇定時の17時となり、部下たちはあっさりと退庁

〇静かになった職場でようやく本腰を入れて仕事を再開

〇21時か22時ころ限界を迎えて職場を出る

〇帰宅してお風呂入ったらすぐに寝る

〇今日も朝がやって来る

これに加えて係長一年目の4月から7月くらいまではほぼ土日は職場に出ていました。

係長になったばかりなので、やたらと多い研修で出張することもあり、それが更に仕事を圧迫。

残業時間でいえば、その4月から7月だと、平日だけで月に60~80時間。

土日に出勤をしていたことを考えると楽に100時間を超える時間外の仕事をしていました。

それでいて残業代ってものすごくカットされるんですね。

「公務員だから仕事した分だけ給料は出る!」

なんて思っていると大間違いです。

実際にこれだけ毎月仕事をしていても出たのは十数時間分くらいです。

それでも出るだけありがたいと思うべきなのか……。

家庭にも思いっきり影響が……

これだけ家に帰れないものだから、家庭にも影響が出ます。

ちょうどその頃、0歳の息子がいたのに、育児にほとんど参加することができず。

1人で育児を行う妻にはとても申し訳ないことをしていたなと思います。

家に帰っても妻とは1時間も一緒にいればもう寝る時間。

朝は妻と息子が起きる前に、そっと顔だけ見て出勤。

そんな生活なので妻も精神的に不安定になってきて、家庭もかなり危険な状態になっていました。

なんとか妻が限界を迎える前に仕事のピークだった7月が終わり、少しずつ家庭での時間が取れるようになったので事なきを得ましたが、8月9月も仕事三昧だったら果たしてどうなっていたのか。

想像するだけで怖いですね。

また、仕事で育児ができない間に、息子は寝返りもはいはいもするようになり、その貴重な最初のシーンをまったく見ることができないという悲しいことも……。

3年の苦しい期間を終えてようやく解放……

とにかく一年目は苦しくて仕方なかったです。

二年目、三年目と年を追うごとに少しずつ業務にも慣れ、部下の異動もあり、仕事自体は最初に比べるとかなり楽になってきました。

それでもサービス残業ばっかりしていましたし、しんどい仕事も多かったように思います。

そんな自分にもようやく異動の辞令が……。

上司も私がかなりしんどそうに仕事をしていたのを考慮してくれたのか、希望していたとおりの部署へと異動することになりました。

とはいえ、後任者に同じ思いはさせてはいけないので、引継ぎの資料は相当時間をかけて作りましたし、上司にあらかじめ仕事の配分を相談して、後任者への負担が少なくなるようにしました。

こうして念願かなって3年の地獄の日々から解放されたのでした。

なぜこんなことが起こるのか

公務員の異動の多さと仕事の内容の問題

なぜこんなに公務員なのにしんどいことが起きるのかなと考えました。

一つは公務員ってそれなりに異動が多いという点。

もう一つは、異動するにしても、仕事の内容がまったく違う未経験の分野が多い点。

 

公務員の異動はどの職種かにもよりますが、3年程度で行われます。

異動がないところは20年近くなかったりするんですけどね。

実際に仕事をしてみると3年って意外と短いんですよね。

一年目……何もわからず右往左往。仕事をこなすことで精いっぱい

二年目……少し仕事もわかってきて問題なく業務を行えるようになってくる

三年目……仕事に余裕が出てくるので、仕事の無駄や問題を改善しようと考える

ようやく仕事を覚えて、少しずつ仕事がしやすいようにいろんなことを改善しようと思う三年目。

でもそのあたりで異動になるものだから、改善できないまま後任者へと引き継がれ、後任者も同じような経過をたどります。

少しずつ改善できてきたとしても、あまり仕事ができない人がその部署につくと、それまでよくしてきたものがひっくり返ったりもします。

だから大変な部署はいつまでたっても大変なまま。

異動をするとまったく未経験の仕事ばかりだということも問題です。

ある程度つながりのある仕事での異動ならわからないなりになんとかすることもできます。

でも、やることも相手とする対象も、根拠となる法律等もまったく違う部署になると、完全に新人と同じようなものです。

まずは何を根拠にどんなことをする仕事なのかを知るところから。

最低限のことだけ覚えて実践しながら仕事を把握していきます。

そりゃきついし不安になりますよね。

それでいてできないと上司が文句をいうのでたまったものではありません。

公務員だからモチベーションに差がありすぎる

上記した部下の問題。

あれは公務員だから起きる問題の一つだと思います。

公務員って、基本的によほどの大問題を起こさない限り、首にもならないし、処分されることもありません。

だから、実際仕事をしなくたって机に座っていればいいわけです。

上司の叱責が気にならない人なら、全然仕事をしていなくても、

「私は精いっぱい頑張っているんです」

なんて平気な顔で言うことができちゃうんですね。

それでいて年功序列で給与も上がるので、仕事をしないけれど態度だけでかい年配の職員がどんどん増えていきます。

そのしわ寄せはしっかり頑張る職員へと回ってきてしまいます。

だから特に採用されたばかりの若手の職員が精神的に参ってしまうなんてケースもけっこうあります。

その原因となっているおじさま方は、

「最近の若いやつはやる気がない」

とか、

「すぐに辞めるなんて根性が足りない」

なんてことを言うんですね。

公務員も仕事をしない職員はばしばし取り締まってもらいたいものです。

形式が大好きで無駄が多い公務員

公務員がイメージと違って忙しくなってしまうのは形式を重んじすぎるところにもあります。

たとえば書類一つでも事細かに決まり事があります。

縦と横は何行ずつ、フォントはこれのこのサイズ、表題の前にはスペース3つ、ここでの改行は何回するなどなど。

言葉の言い回しも、

「これが適正な言い回し」

みたいなものがあって、このあたりがきちんとしていないと、何かの起案をしても通してもらえません。

問題がある文章なら決裁が下りないのは仕方ありませんが、

「この漢字の送り仮名が違うからやり直し」

「スペースが空いていないからやり直し」

と書類を戻されることもあるので一向に仕事が進まないということがあります。

このあたりはどんな上司にあたるかですが、細かい人は本当に細かいです。

また、公務員ってやたらと定例会議が好きなんですよね。

無駄な会議が山ほどあって、参加しても参加者の半分以上は参加するだけ。

特に発言をするわけでもなく、だらだらと時間だけが過ぎていきます。

そんなの決定事項をメールで送ってくれて、これでいこうといえば済む話。

書類にしても会議にしても、これ以外にもいろいろ無駄がありますが、これらがなくなるだけで、本当にしなくてはいけない仕事に力がずいぶん注げたのではないかなと当時を振りかえると感じます。

公務員になるならこうした現実も知っておこう

さて、私の経験から、

「公務員だってブラックなところはあるんだよ」

ということを言いたくてここまで書かせてもらいました。

言いたいことはまだまだありますが、長くなりすぎてしまうのでこのあたりで……。

私は公務員自体はいい仕事だと思っています。

一度公務員になったことには後悔はないですし、辞めてしまってもったいなかったかなと思うときもあります。

ですので、公務員を目指すこと、公務員として働くこと自体はとてもおすすめしています。

それでもこうした現実もあるんだよということを知っておいてもらえたらなと思います。

公務員として働いていくには、真面目さよりも、大変なときでも割り切って仕事ができる気持ちを持てるかがとても大切だなと思っています。

その事前の心構えとしてこうしたことも考えてもらえると、少しでも働きやすくなるのではないかなと思います。