障害者が就労を目指して活動をする場合、その活動は一人ひとり大きく異なります。
身体に障害がある人もいれば、耳が聞こえづらいという人、視力が悪い人というように、いろんな種類があれば程度も違うからです。
国として、障害者の就労支援事業を展開していますが、自分にあった支援を受けることが就労を継続するための助けとなります。
どんな支援があるのかというと、
〇就労移行のための支援
〇就職先を探すための支援
〇専門の転職エージェント
の大きく３種類に分かれています。
それぞれがどのようなものなのかを簡単に紹介していきます。
Contents
就労移行のための支援
まずは就労移行のための支援です。
こちらは、『障害者総合支援法』に基づいた就労支援サービスになります。
国からの業務委託を受けた業者が、障害を持つ方に対して、
〇障害の理解や対処スキルの取得
〇ビジネススキルの取得
〇就職活動のサポート
〇職場に定着するためのサポート
などを行うというものになります。
利用者には一度も働いたことがないという人や、体調を崩して長期間仕事をしていなかったという人もいます。
いきなりの就職ではなく、まずはそこに向けての第一歩としてこうした就労移行のための支援を利用するというのも一つの手段です。
有名なところだと、株式会社ゼネラルパートナーズが行っている【atGPジョブトレ】があります。
ここでは、障害別にプログラムを用意されています。
〇聴覚障害コース
〇うつ症状コース
〇発達障害コース
〇統合失調症コース
〇難病コース
といったコースがあり、よりその人に合った支援を考える枠組みができています。
同じ障害を持った人のつながりができるところも利用者からは好評のようです。
障害別専門支援の就労移行支援サービス【atGPジョブトレ】
それ以外の就労移行支援としては、株式会社ＬＩＴＡＬＩＣＯの【LITALICOワークス】があります。
こちらも一般企業への就職を目指す６５歳未満の障がいを持った方への支援になります。
この会社も、就労前の支援、就職活動の支援、就職後の職場定着の支援と支援の内容は近いものがあります。
ただ大きく違うのは、【atGPジョブトレ】よりも事業所が全国に展開していて、利用できる県が多いということです。
東京だけで１３か所もあり、中国地方や九州の方まで展開しているので、幅広く支援が行えています。
そのひとりの「働きたい」にこたえる。【LITALICOワークス】
いきなりの就職活動に不安がある人は、まずは就労移行支援サービスを受けて、自分に合った仕事を知ることや、必要なスキルを一緒に学ぶところから始めてみるといいと思います。
就職先を探すための支援
就労移行支援サービスは必要なく、いきなり就職活動を始める人もいると思います。
そうした人も、一般的な就活サイトや転職サイトだと希望の条件が見つかりづらいかもしれません。
そこで利用したいのが就職先を探すための支援です。
先ほど就労移行支援サービスで紹介した株式会社ゼネラルパートナーズ。
こちらは就労移行支援サービスだけでなく、就活の支援も行っています。
というよりもこちらが元々はメインだったみたいですね。
【atGP】というサービス名なので、就労移行支援の場合これにチャレンジがつくんですね。
こちらは純粋に就職先を探すために面談を行ったり、相談に乗ってくれながら一緒に希望に合う職場を探していくものです。
障害者の就職・転職に関する事業をずっと行ってきているので、上記した就労支援サービスかこちらのどちらかを登録しておくと、職場探しにはかなり有効となります。
プロと一緒にする転職活動！障害者の就・転職ならアットジーピー【atGP】
パーソルチャレンジ株式会社の【dodaチャレンジ】も有名なサービスです。
この会社って、障害者雇用に一番力を入れているのですが、発達障害の学生にコミュニケーションサポートプログラムを行ったり、法人向けに障害者雇用のコンサルティングも行ったりしています。
「誰もが自分らしくはたらける持続可能な未来に向けて」
という理念のもとに、障害者雇用を進めるだけでなく、障害者雇用そのものを成長させていきたいと考えています。
そうした理念のもとに運営を続けているからこそ、支援は手厚く丁寧に話も聞いてくれます。
障害者雇用支援の【dodaチャレンジ】
就職支援としては、このあたりを利用してみるのがいいかなと思います。
専門の転職エージェント
もっと本格的に仕事を決めていきたいという人には、転職エージェントという手段もあります。
これは転職をする人の間では近年、利用が多くなってきているサービスですね。
転職エージェントに登録をすると、あなたの希望を聞いてそれに合った職場を見つけてくれます。
その会社の面接の対策をしたり、書類作成の相談に乗ってくれたり、面接の日程調整や、条件の交渉までしてくれます。
時間がない人や、一から就職活動を自分一人でするのが大変な人にはとても有用なサービスです。
その中で障害者専門の転職エージェントというのもあります。
それが障害者転職エージェントの【Agent-Sana】です。
障害者専門のっていうのはかなりめずらしいんですよね。
すでに２９年も運営をしており、実績もあるため求人数も業界最多だそうです。
関東圏と関西圏が中心となるので、地方の方には向いていませんが、該当する地域で働きたい人にはとてもいいサービスになります。
ホームページもかなりわかりやすく作られているので、興味があればどういうものか一度見てみることをおすすめします。
障害者雇用のための支援はぜひ利用しよう！
ここまで就職・転職するために利用したい支援を３種類紹介してきました。
こうした支援があるということを知らなかったという人もいると思います。
国はここ近年、障害者雇用の促進に力を入れてきています。
公的施設であれば、かならず全体の職員数に対して一定数の雇用をするように定められています。
私の会社でも毎年一人以上は障害を持った方が採用され一緒に仕事をしています。
そういう中だからこそ、こうしたサービスも昔に比べて徐々に充実してきているように感じます。
また、こうしたサービスはほとんどの場合、無料となります。
継続的な就職や転職を考える上ではぜひ利用していけたらと思います。
