出産・育児

夫に知っておいてほしい。妊産婦のうつと自殺についての成育医療研の研究報告ー

先日、読売新聞の紙面で、

『妊産婦死因、自殺が3割で最多……産後うつ影響か』

という記事が掲載されていました。

 

出産後の育児、特に初めての子どもの場合、母親にかかる負担というものは計り知れません。

今回の記事は、国立成育医療研究センターの研究報告によるものです。

どういった記事であったのかを紹介していきます。

 

Contents

記事の内容について

出生届、死亡届、死産届のデーターベースとして、妊娠中および産後一年未満の女性の死亡に関して検討を加えたものになります。

 

対象期間は、2015年1月1日から2016年12月31日までの2年間。

 

その中で、対象となった357例の死因のうち、約3割にあたる102例(妊婦3人、産婦99人)が自殺によるものだとわかりました。

 

読売新聞の記事には、

”無職世帯や35歳以上の女性が産後に自殺をするリスクが高く、産後うつの影響がうかがわれた”(2018年9月6日付読売新聞より)

と書かれていました。

 

産後うつにはどんな人でもなりうると思っておこう

どんな人でも、

「絶対に産後うつにはならない!」

と言い切ることはできません。

 

私の友人の中で、ふだんから何にも動じずに問題を解決するような人でも、産後うつのような症状が出ていました。

 

特に父親となる男性にはそのことを理解しておいてほしいと思います。

 

「うちの妻に限って……」

という考え方は捨てて、いま辛くはないかな、寝れているかなと考えてあげてください。

 

別の育児に関する統計では、半分以上の人が、育児を苦しいと思ったことがあると答えています。

 

どういうときになる可能性があがるのか

私の経験から感じたことになります。

寝れないとき

産後の育児で、寝れないことがとても辛いと思います。

新生児は、胃が小さく一度にたくさんのミルクを飲むことができません。

そのため、3時間ごとにミルクをあげることになります。

 

そうすると当然、母親はその度に起きなければいけません。

 

ミルクをあげても母親は、

「ミルクあげたし寝よう」

というわけにはいかないですよね。

ミルク以外にオムツを替えてほしいと泣くときもあれば、何が原因で泣いているのかわからないときもあります。

時期によっては、一晩中泣き止まずに、母親も朝まで起きていることもめずらしくありません。

 

周りからのプレッシャーと無理解

初めての育児だと母親もわからないことだらけです。

そんなときに、

「やり方が悪い!」

「早く泣き止ませて」

といったことを言われてしまうととてもストレスになります。

 

その時点で母親はもう頑張っています。

周りにいる人は、口を出すのではなく、サポートをするという意識を持ってほしいです。

 

人によっては、うまく授乳ができないこともあります。

慣れないうちは難しいものです。

そういうときに、

「粉ミルクばかりじゃダメ」

と言ってくる人もいます。

 

必死に授乳しようと頑張っているときにそんなことを言われると、

「あぁ私はダメなんだ」

と沈んだ気持ちになってしまいます。

そういうときこそ父親は焦らせずに一緒に寄り添ってあげてください。

 

周りの協力がなく孤独になったとき

育児で怖いのは孤独になることです。

物理的にもそうですし、精神的にもです。

 

父親が日中、仕事に行っている間、母親は一人で子どもを育てています。

もし、父親が帰宅後も、

「おれは疲れているから」

といって、母親と子どもに見向きもしなかったら……。

 

母親の孤独が広がっていってしまいます。

父親は、話を聞くだけでもいいです。

少しの間、子どもの相手をしてくれるだけでもいいです。

 

現実に、父親が育児参加が難しいケースもあります。

そんなときは、自治体のサポートを受けることをすすめます。

電話での相談もあれば、助産師さんが来てくれることもあります。

役所に集まっての懇談会のようなものもあります。

 

とにかく一人にならないこと。

孤独にならないことが大切です。

 

終わりに

出産後の数か月~一年はとにかく大変なことが多くあります。

 

上記したこと以外にも、出産後の母親は、身体が本調子ではありません。

出産にともなう身体へのダメージや、会陰切開や帝王切開をした場合、長い期間、身体への痛みが残ります。

ただでさえ、身体が辛いところに、慣れない育児、眠れない夜と、様々なことが積み重なります。

 

新聞の記事を読み、より出産後の母親へのサポートが必要であると感じます。

母親はとにかく無理そうなら周りを頼ることが大切です。

父親は、自分も子どもの父親であること、母親がいまとても大変な状態であることを知るようにしましょう。