仕事

部下の仕事が遅い!締切を守れない8つの理由と改善するための上司の行動

社会人として年数を重ねると、だんだんと後輩も増えていきます。

私も、仕事上の部下も何人か持つようになりました。

立場が変われば悩みも変わるようで。

その悩みの一つに部下の仕事に関するもの。

 

仕事への意欲はあるのにどうしても締切が守れない、仕事が遅いという人がいます。

それはその人の能力がないからでしょうか。

それならばもうその人が頑張るか、仕事を減らすしかありません。

でも能力はあるのに、その人の取り組み方がよくないだけかもしれません。

 

もしそういうタイプの人だと、いくら叱ってもなかなか仕事の改善は難しい。

ここでは部下に仕事を任せるときに意識したいことを考えていきます。

部下の仕事が遅くて困っている

私のこれまで一緒に仕事をしてきた部下で、仕事が遅い・締切を守れない人には2つのタイプがあります。

A 真面目に仕事に取り組んでいるのに、なぜか仕事が遅い人

B ぎりぎりまでのんきにしていて、最後に焦って間に合わない人

Aはいつも真面目に仕事に取り組んでくれていて、こちらの指示にも「わかりました!」といい返事をくれます。

やる気もあるのである程度任せてみようかなという気にさせてくれるいい部下です。

でも、なぜか締切直前になって、

「すみません。ちょっと間に合いそうになくて……」

なんてことがちらほら。

Aはさぼったり手を抜いたりするのではなくきちんと仕事をしようとするタイプなのにです。

 

一方Bは、こちらも返事はいいけれど、部署をまたいでほかの同僚と雑談をしたり、すぐに休憩をとったり。

やや仕事ぶりが気になります。

とはいえベテランだし、仕事を任せないわけにはいかないので、任せた上で様子を見ています。

時々仕事の進捗を確認しますが「大丈夫ですよ」と言いながら、あっちにふらふら、こっちにふらふら。

いよいよ締切が近づいてくると、「さあやるか!」とばかりに一気に片付けようと頑張ります。

でも、そんな調子だからいつも間に合いそうになく、周りがフォローをしてなんとか仕事を終わらせている、そんな人です。

皆さんの周りにもこんな人はいないでしょうか。

なぜこの部下たちの仕事は遅いのか

対照的な二人ですが、どちらも能力が低いわけではありません。

でも仕事が遅く、締切を守れないことがよくあります。

ではなぜこの二人は仕事が遅いのでしょうか。

次のようなことが考えられます。

Aの場合

〇仕事を抱え込みすぎている(頼まれたら断れない)

〇わからないものを後回しにする

〇わからなくても聞かない

〇目の前にほかのことがあるとそちらに気を取られる

〇丁寧に仕事をしすぎている

Bの場合

〇とにかく仕事の取りかかりが遅い

〇仕事が終わるまでの見積もりが甘い

〇これまでフォローされてきたから、それが当たり前になっている

仕事を抱え込みすぎている

Aはとにかく何を頼まれても嫌がらずに引き受けます。

引き受けるといえば聞こえはいいですが、頼まれたら断れないタイプです。

だから周囲もAにはとても仕事が頼みやすい。

そして仕事が終わらないうちに次の仕事が来て、ほかの仕事が遅くなる。

気づけば仕事が山積みになっています。

見ているとこういう悪循環にはまっているようでした。

一つ一つは小さな仕事であっても、重なることでかなり負担になっていたようです。

わからないものを後回しにする

Aの仕事のクセの一つにわからないものをとりあえず後回しにしてしまうところがあります。

よくわからず、手間もかかりそうだから、ひとまずわかるほかの仕事から片付けていこうということのようでした。

これは仕事をする上でかなり危険です。

ぱっと見て、難しそうに見える仕事でも、ある程度どういう仕事か把握して、どれくらい時間がかかるかの見通しをたてなければいけません。

Aはこうしたわからなかったり、難しそうなものを後回しにしてしまいます。

仕事が来たときにどんな仕事か把握しておけば十分期限に間に合うようなものでした。

でも、いざほかの仕事を片付けてから取り掛かろうとすると、間に合わすにはなかなか難しい。

「どうしたらいいでしょうか」

と相談に来ることになります。

わからなくても聞かない

上の理由にもつながりますが、Aはわからないことを聞くのが苦手なようです。

とにかく自分だけでなんとかしようとします。

その姿勢はいいことですよね。

なんでもかんでも考えずに聞いてくるタイプの部下より好感が持てます。

ただ、自分で考えてみてわからないと思った時点でだれかわかる人に聞いた方がいい。

職場の仕事って完全にだれも知らない初めての仕事は割と少ないものです。

自分で一からすべて調べて行おうとするとそれはいくら時間があっても足りない。

「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」というやつですね。

聞くこと自体、ぜんぜん恥だとは思いませんが。

目の前にほかのことがあるとそちらに気を取られる

また、ほかの人がしている作業が気になるようで、誰かが掃除をしたり、ごみの回収をしたりすると、「自分もやります」と急ぎの仕事があっても手伝ってしまう。

ほかの人が自分の仕事で詰まっていると一緒に考えたりする。

一見、いい行為なのですが、優先しないといけない仕事があるときはある程度自粛する必要もありますよね。

Aの場合、これが非常に多い。

実際Aはすごく優しい人なんです。

でもその優しさにゆえに周りを気にして自分の仕事に集中できていない。

もう少しやるときややる!とメリハリがつけれるといいなと感じています。

丁寧に仕事をしすぎている

Aの仕事が遅い4つ目の理由に仕事が丁寧すぎることがあげられます。

仕事が丁寧っていうのはいいことなんですよ。

でもそれもやはり時と場合によると思います。

Aから私のところに回ってくる決裁文書もたくさんの証拠書類・関連書類がついてきます。

わかりやすいようにふせんをつけてくれていてとても素晴らしい。

だ、重要な決裁文書だけでなく、一瞥すればさっと回すような正直手をかける必要のないものも同じように丁寧に作っています。

仕事へのそうした意識はいいのですが、ここでも力の入れ加減を誤っているように感じます。

手を抜いてもいいところは手を抜く、大事なところに注力する!がいいのではないかなと。

とにかく仕事の取りかかりが遅い

さて、続いて仕事が遅いBにうつります。

Bの一番の特徴はとにかく仕事の取りかかりが遅いということ。

もう原因のほとんどはこれですよね。

Aはわからないものを後回しにするクセがありましたが、Bは単純に、

「まだ締切まで時間があるから大丈夫だろう」

とのんびり仕事をしています。

Bが締切を守れないと思った私は、いつも以上に期限を長めにしてみたこともありました。

しかし、取りかかりが遅いということは期限を延ばしてもやらない期間が長くなるだけ。

結果いつもと同じぎりぎりで焦って取りかかっていました。

とはいえ、最初から締切を短くするとそれはそれでへそを曲げるから扱いづらく困った存在です。

仕事が終わるまでの見積もりが甘い

仕事をするとき、大抵の人が、この仕事ならこれくらいでできるかなと完成までの見積もりをすると思います。

それにあわせて仕事に手をつける時期や優先順位を考えますね。

しかしBはこれがとても苦手……というかしていないようです。

締切が近づいてそろそろまずいかなと思ったら始めるという方法が体に染みついています。

本当なら若手の頃から仕事をする中で身に着けていくものなのですが、Bはすでに50半ば。

これからそういうことを始める気もなければ身に着けるのも難しいんだろうなと頭を悩ませています。

これまでフォローされてきたから、それが当たり前になっている

さて、そんなBですが、仕事が間に合わなくて彼一人の責任ならば別に構いません。

でも仕事ができていないと周りも困る。

だから結局、なんだかんだ周りがフォローして、期限ぎりぎりもしくは、過ぎても致命傷にならないうちに仕事が終わります。

Bは、「いつもごめんね」といいつつ、あまり反省をしているように見えない。

そしてこれからもしないでしょう。

 

私の部下AとBの仕事が遅い原因と考えられることでした。

個人差はありますが、これに当てはまる人も多いのではないでしょうか。

上司としてどう行動すればいいか

部下の仕事が終わらない理由を探る

上司としては、なんとか部下の仕事を早くしたい。

部署全体のためにも締切を守れるようにしたいですよね。

そのためにはまず、なぜその部下の仕事が遅いのかを考える必要があります。

AとBのように人によって仕事が遅い理由は異なります。

だから全員を同じように対応していても改善するのが難しいです。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」

という言葉があるように、まずは自分のこれまでの対応と部下の行動をよく知ることが必要です。

なにが原因でいまの結果につながっているのか。

それが最初の一歩となります。

適度に進捗を聞く

部下に仕事を任せて、ほったらかしでも仕事をきちんとしてくれる。

それが理想的ですね。

私もぜひともそうして自分の仕事だけに集中したい!

でもなかなかそうはいかないのが現実です。

そうなればやはり定期的に進捗状況を聞くことが大切になります。

そのときに、部下の「順調です」とか「大丈夫です」という言葉で、

「なら大丈夫なんだな」

と思うのは少し危険なので注意してください。

進捗状況を聞くときは具体的に聞くこと。

まだ取りかかっていないならそれはそれで、「まだ取りかかれていません」と教えてもらえた方がありがたいですよね。

また、進捗状況を聞くことで、「ちゃんとやらないとな」という気持ちにさせる意味もあります。

その仕事の意味を話しておく

仕事において、単純に仕事を任せるのと、きちんと意味を話して仕事を任せるのでは相手の取り組み方にも変化があります。

たとえば、

「これ2週間後までに仕上げといて」

とだけいわれるのと、

「取引先に送る重要な資料になるから、2週間後までに必ず仕上げておいて」

といわれるのとでは仕事への向き合い方や意欲も違いますよね。

逆にそんなに重要でない仕事であれば、

「来週の頭までにほしいんだけど、内容はざっくりとしたもので大丈夫なやつだから。細かい資料はいらないよ」

とでもいってもらえると、その仕事の力の入れ具合がわかって頼まれる側もやりやすいです。

「どの仕事だって大事だ!手を抜くなんてありえない!」

うちの職場にもそんなことをいう人もいますが、必死に打ち込むだけが正しいわけではありません。

そしてそれをうまく伝えるのは上司の仕事の一つです。

真摯に相談に乗る

すごくあたりまえのことですが、意外と難しい相談に乗るということ。

「私は部下に配慮しているし、声もかけている」

という人に限って、きちんと相談に乗れていないということが往々にしてあります。

仕事で困っている部下がいて、

「頼んでいた仕事どうなの?しっかりやってくれよ。大丈夫だよな」

みたいな確認と発破がけをして自分はやり遂げている!という勘違いをする人もいます。

こんな風にいわれたら、「実は……」なんていえないですよね。

「大丈夫です!頑張ります!」

としか答えられないものです。

相談に乗るということは、相手がなにに困っていて、どうしたら解決できるかその方法を一緒に考えることです。

まずは相手の話をしっかりと聞く。

急かさないし、仕事がうまく進んでいないことを責めない。

それだけでも部下はずっと話がしやすくなるでしょう。

おわりに

私の出会った部下の仕事が遅い理由と対応策について紹介してきました。

正直、自分で仕事をした方が速いと思うときがたくさんあります。

でもだからといって自分が仕事を抱えて業務を滞りなく進めても、それは部署全体からしたらいいことではありません。

部下を育てるのも上司の仕事。

部下が仕事を進められるようにするのが上司の仕事です。

私も自分でいっていてなかなかできないことですが、その意識を持って部下に接するうちに、少しずつ業務全体がうまく機能していきます。

みんなが仕事をスムーズにおこなえて、ストレスなく日々を過ごせることを願って今日も頑張っていきましょう。