沖縄の楽曲といえば陽気で明るい音楽!
そんなイメージを持つ人もいるかと思います。
となるとやはりこの曲。
『ハイサイおじさん』です!
甲子園の沖縄出身高校の応援歌としても有名になりました。
三線で弾くときにはとても陽気で楽しいので、
「こういうのが弾いてみたかった!」
という気持ちになりますよ。
今回は、『ハイサイおじさん』について紹介していきます。
『ハイサイおじさん』とは?
『ハイサイおじさん』とは、喜納昌吉さんが学生のころに作った曲です。
喜納庄吉さんは、1948年に沖縄県コザ市(現在の沖縄市)に生まれ、実妹らと共に「喜納昌吉&チャンプルーズ」というバンドを結成します。
沖縄民謡の独特のメロディと沖縄方言を混ぜ合わせ、特徴的な楽曲を生み出していきます。
『ウチナー・ポップ』とも呼ばれているそうです。
『ハイサイ』って言葉は沖縄方言で『こんにちは』って意味ですね。
こんにちはおじさんということで、少年とおじさんの掛け合いが歌詞になっています。
『ハイサイおじさん』は明るい曲調とは裏腹に悲しい事件からできた曲もあります。
このおじさんの娘が毛布から足を出していたので、触ってみるととても冷たい。
どうしたのかと娘を見ると娘の頭がなくなっていた。
おじさんの妻が精神に異常をきたし、娘の首を切り落として鍋で煮てしまったのであった。
そのことにより村八分状態となったおじさんは、以前から交友のあった喜納家にお酒を無心するようになった。
喜納小吉は、この孤独なおじさんに歌を作ってあげようと思い、作詞作曲したのがこの『ハイサイおじさん』であったと言われている。
戦後の苦しい時代での事件であり、戦争の悲惨さを伝える一つのエピソードともなっています。
『ハイサイおじさん』はいろんなところで使われています。
〇志村けんの『へんなおじさん』の元ネタとして
〇ビートたけしのオールナイトニッポンのエンディング曲
〇替え歌が第二電電(現在のKDDI)のCMに
そもそも私はオールナイトニッポンを聞いたことがなかったんですが、職場の先輩は、『ハイサイおじさん』と聞いてすぐにこのラジオ番組を挙げていました。
『喜納小吉&チャンプルーズ』の動画はこちらになります。
すごく楽しそうですよね。
喜納小吉さんが少年役で、女性コーラスがおじさん役になっています。
『ハイサイおじさん』の歌詞
『ハイサイおじさん』は1番から5番まであります。
ぱっと聞いてみても正直なんて言っているのかわからないですよね。
これが実際に歌詞をみても、
「どういう意味かわからんし!」
って思うと思います。
まずは1番の歌詞から。
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
昨夜(ゆうび)ぬ三合ビン小(ぐゎ) 残(ぬく)とんな
残(ぬく)とら我(わ)んに 分(わ)きらんな
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
三合ビンぬあたいし 我(わ)んにんかい
残(ぬく)とんで言ゆんな いぇー童(わらばー)
あんせおじさん 三合ビンし不足(ふずく)やみせぇーら
一升(いっす)ビン我(わ)んに 呉(くぃ)みせーみ
わかんないですよね。
なんとなくお酒のことをいっているのかなーくらいにしか。
訳としてはこんな感じみたいです。
(少年)こんにちはおじさん こんにちはおじさん
夕べ飲んでいた酒は残っているかい
残っていたなら俺に分けてくれ
(おじさん)おいおい小僧、やい小僧
三合ビン程度の酒でこの俺に
残っているのかと聞いているのかい やい小僧
(少年)それならおじさん 三合ビンで不足というのなら
一升ビンを俺にくれるというのかい
こんな風に、少年とおじさんの会話になっています。
続けて2番から一気に見てみましょう。
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
年頃(とぅしぐる)なたくと 妻(とぅむ)小(ぐゎ)ふさぬ
うんじゅが汝(いやー)ん子(ぐわ)や 呉(くぃ)みそうらに
ありーあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
汝(いやー)や童(わらばー)ぬ くさぶっくいて
妻(とぅむ)小(ぐゎ)とめゆんな いぇー童(わらばー)
あんせおじさん 二十や余て三十過ぎて
白髪(しらぎ)かみてから 妻(とぅむ)とめゆみ
(少年)こんにちはおじさん こんにちはおじさん
俺もそろそろ年頃だから女房が欲しいんだけど
おじさんの娘をくれないかい
(おじさん)おいおい小僧、やい小僧
ガキの癖に生意気言やがって
女房を捜そうってのか やい小僧
(少年)それならおじさん 二十を越えて三十過ぎて
白髪になってから女房を娶れってのかい
【3番】
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
おじさんカンパチ まぎさよい
みーみじカンパチ 台湾はぎ
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
頭(ちぶる)んはぎとし 出来やーど
我(わ)ったー元祖(ぐゎんすん)ん むる出来やー
あんせおじさん 我(わ)んにん整形しみやーい
あまくまカンパチ 植(い)いゆがや
(少年)こんにちはおじさん こんにちはおじさん
おじさんの頭のハゲは大きいねぇ
ミミズのようなハゲだけど 台湾ハゲって言うんだろう
(おじさん)おいおい小僧、やい小僧
禿てる奴は頭がいいんだよ
うちの先祖もみんな頭が良かったぞ
(少年)それならおじさん 俺も整形して
あっちこっちにハゲをこしらえてみようかな
【4番】
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
おじさんヒジ小(ぐゎ)ぬ をかさよい
天井(てぃんじょ)ぬいぇんちゅぬ ヒジどやる
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
汝(いやー)やヒジヒジ笑ゆしが
ヒジ小(ぐゎ)ぬあしがる むてゆんど
あんせんおじさん 我(わ)んにん負きらん明日(あちゃー)から
いぇんちゅぬヒジ小(ぐゎ) 立てゆがや
(少年)こんにちはおじさん こんにちはおじさん
おじさんの髭ってのはおかしいな
天井のネズミの髭みたいだぜ
(おじさん)おいおい小僧、やい小僧
お前は髭々と笑っているけど
髭がある方がもてるんだよ
(少年)それならおじさん 俺も負けちゃいられない
明日からネズミの髭でも生やしてみようかな
【5番】
昨日ぬ女郎(じゅり)小(ぐゎ)ぬ 香(か)ばさよい
うんじゅん一度 めんそーれー
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
辻、中島、渡地とぅ
おじさんやあまぬ 株主ど
あんせんおじさん毎日(めーなち)あまにくまとして
我(わ)んねー貧乏(ひんすー)や たきちきゆみ
(少年)こんにちはおじさん こんにちはおじさん
昨日の女郎はよかったよ
あんたも一度くらい女郎屋にでも行ってみたらどうだい
(おじさん)おいおい小僧、やい小僧
おじさんは辻、中島、渡地の株主なんだよ
(少年)それはおじさん 毎日遊郭に籠もって
俺に貧乏しろと言っているのかい
となります。
私もじっくりと見るのは初めてでしたが、思っていたよりも少年は大人なんですかね。
お酒をわけてくれといったり、女房がほしいといったり。
甲子園の応援歌としての『ハイサイおじさん』
まずは甲子園の応援歌としての『ハイサイおじさん』を聞いてみてください。
有名なのは、沖縄県代表の興南高校の応援です!
YouTubeなどをのぞけばすぐに出てきます。
観てもらったらわかるように、もうお祭り騒ぎって感じですよね!
沖縄出身でないけれど一緒になって応援したくなります!
それが『ハイサイおじさん』です!
このテンションで応援されると、味方は燃え上がりますが、相手ピッチャーはプレッシャーですよね。
この『ハイサイおじさん』が酔っぱらいの曲であるため、一時期、応援歌として自粛することとなっていました。
でも、『ハイサイおじさん』を流してほしいという声が多く応援歌として復活した経緯もあります。
三線の楽曲としての『ハイサイおじさん』
さて、三線で演奏するとなったら『ハイサイおじさん』はどうでしょうか。
これまで紹介した『安里屋ユンタ』や『海の声』に比べるとかなりテンポが速いですね。
実際の『ハイサイおじさん』のスピードで弾こうと思うと、ある程度上達してからでないと指がつりそうです。
でも、イントロからこの沖縄っぽくて楽しいメロディー!
ぜひマスターしたい一曲です。
下記の動画を見てもらうと指の動きもよくわかるんですが、左手自体はそこまで複雑ではありません。
何曲か簡単な曲を弾けるようになったら挑戦してみるといいと思います。
終わりに
ということで、三線を使った曲紹介。
3曲目は『ハイサイおじさん』でした。
沖縄の良さが伝わってくるいい曲だと思います。
甲子園でもこの曲が有名になっているので、知っている人も増えてきていて弾き語りができるとちょっとかっこいいです!