いろんな転職活動をしている人を見ていると、転職を断念する理由の一つとして、
家族が反対している！
というものが一定数あります。
転職をするときって、やはり家族のことは切り離して考えることはできないものです。
でも自分のことだけ考えて転職を志す人っていないと思います。
そこには家族のことを思っての決断もあります。
だからこそ家族、特に妻や夫といったパートナーには理解してほしいものです。
でもただ感情的に転職をしたいと話しても、論理的に説明しても、それだけではなかなか理解が得るのは難しいですね。
ここではどうやって家族に伝えていけばいいのかを考えていきましょう。
家族が反対する大きな理由
家族が転職に反対する理由は様々ですが、よく考えられる大きな３つがこれです。
そしてこれらは総じて、今の生活に変化が起きるということに対する不安でもあります。
〇経済的な不安
〇慣れない仕事への不安
〇家族との時間がなくなることへの不安
経済的な不安
もしあなたが奥様に転職をしたいと伝えたときに一番に不安に思うことは、
「転職なんてしたらお給料下がるんじゃない？生活は大丈夫？」
という点ではないでしょうか。
まずこちらの心身の心配もしてほしいところですが、家庭を守る奥様としてはそこは不安に思ってしまうところです。
子どもが小さければこれからどんどんお金がかかるようになる。
子どもがすでに中学生、高校生なら、大学受験も頭に過ぎりますよね。
もしあなたが大手企業に勤めていたり、公務員だったりしたら、
「今の職場が安定していいじゃないの？」
と言いたくなる気持ちもわかります。
今後の生活についてのこうした不安はまず取り除かなければいけない部分です。
慣れない仕事への不安
あなたが転職をして、慣れない仕事をすることへの不安も考えられます。
「これまで長年勤めてきていたのに、新しい職場なんて大丈夫？」
ということですね。
自分たちのことだけでなく、あなたのことも心配してくれている。
それ自体は嬉しいことですね。
確かに転職とは働く環境ががらっと変わるものです。
職場はもちろん、人間関係もそうですし、通勤方法もそうです。
生活全体が変わることに対して最初はそれがストレスになる人もいるので、
「新しい環境に馴染めるかな？」
と家族が不安になるのは当然ともいえるでしょう。
家族との時間がなくなることへの不安
転職をすると、最初はどうしたって仕事を覚えたり、仕事に慣れたりするためにいつもより働く可能性があります。
それは家族との時間が減ってしまうかもしれないこと。
「どうして今の生活じゃいけないの？」
という不安が生まれてしまいます。
多くの人にとって家族と一緒にいる時間というのはかけがえのないものです。
だからこそそれが脅かされそうなことには敏感に反応してしまいます。
総じて今の生活が変わることへの不安
上記した３つの不安。
これらは総じて今の生活が変わることへの不安でもあります。
人というのは、変化することを恐れる生き物です。
これは普段の生活を考えてみるとよくわかりますね。
たとえば、毎日のルーティンになっていることってあると思います。
朝何時に起きて、朝食を食べて、いつ家を出て、仕事をして、家に帰るとまずお風呂に入り……。
そう思っていたのに、仕事で急な案件が入って残業になる……すごく嫌ですね。
こうしたいつもの決まった動きが突発的なことで阻害されるとそれ自体がストレスになりますよね。
家族で出かける予定を立てていたのに、出発の時間になっても誰かが準備が終わっていなくて出発できないと、
「早く準備してよ！」
となることもあります。
人は、予定通りの生活、いつもどおりの生活に安心感を持つようにできているんです。
だからこそ、転職というものは本人は覚悟を決めてやろうとしているので問題ないですが、家族からすると、
「なんでそんなことするの？」
という感情がまず出てくるというわけです。
家族に理解してもらうためには、家族がまずそういう気持ちを持つものだと理解してから相談にいきましょう。
家族に反対されたらどうする？
まずは家族の意見を聞く
転職の相談を家族にするときに一番重要なのは、家族の意見を聞くことです。
その意見は自分の考えとは違うかもしれません。
そこで自分の主張を伝えたくなりますが、まずはぐっとこらえて家族の話を聞きましょう。
家族に反対されている場合、多くは上記したような何かしらの不安を抱えているからです。
それを払拭しない限り、その場では納得してみせても、あとになって、「やっぱり転職は……」なんてことにもなりかねません。
まずは家族が転職についてどう考えているのか、何を不安に感じているのかを聞きましょう。
家族には共感が大切
家族がどう考えているのかを聞いてみて、
「じゃあ次は私の意見だ！」
と早々に自分の意見を伝えようとするのはちょっと気が早いですよね。
家族の意見を聞いたらまずはその意見や気持ちを素直に受け止めましょう。
もしかしたらすごく不安を抱えているかもしれません。
転職をしたい！と一番悩んでいるのは転職を考えているあなただとは思いますが、それと同じくらい家族も悩むものです。
「ああ、こんなに心配させてしまっているのだな」
と寄り添い一緒に考えていけるのがいいなと思います。
不安を解消できるように丁寧な説明をする
家族のの意見や気持ちを聞き、受け止めたら、それをわかった上でなぜ転職しようと思ったのかを伝えなければいけませんね。
転職活動を進めていく上では、家族の将来に向かっての不安を解消していくことが重要です。
上記したように、経済面での不安や、家族としての時間がなくなるのではないかという不安は当然あります。
それ以外にも家庭ごとに不安と感じるものがあると思います。
家族がどんなことを不安に思うかということを、家族一人ひとりを思い浮かべながら考えてみてください。
そしてその不安を払拭できるだけの考えを持ちましょう。
経済的な面でいえば、もし年収が増える予測ができているなら問題ありませんね。
一時的に減るとしても、将来的にこうなるという予測があるのなら、それを伝えてもいいと思います。
また、年収はどうあっても減ってしまう転職でも、その代わりに残業は減って家族の時間をたくさん取ることができる！なんて理由があれば、それも説得の材料になると思います。
家族に向けて、
「転職しても大丈夫なんだよ」
といえるだけの材料を見つけておきましょう。
転職への想いを伝える
家族の転職に対する不安を聞き、それに対するあなたの考えを用意しました。
それを踏まえて丁寧に説明をしたら、今度は改めてあなたが転職をしたいという想いを伝えましょう。
さあここからがまた大事なポイントです。
「転職してビックになるから任せてくれ！」
なんて言われた日には、そこまでの話がどんなによくても一気に不安にさせてしまいますよね。
転職をすることで、あなたがどうなると予想しているのかを現実的な視点で伝えましょう。
〇これからの生活がどうなるのか
〇経済的な部分で問題はないのか
〇あなたの仕事はどうなるのか
〇通勤や残業がどうなりそうなのか
〇家族の生活はどう変わるか
〇あなたと家族との時間はどうなるのか
熱意だけで「大丈夫」というのではなく、具体的な数字や目標をといった詳しい内容を加えることで、家族が転職後の生活をイメージしやすいようにしてみてください。
確定している内容があるのなら紙に書きながら説明するというのもいいかと思います。
家族が不安に思う多くの原因は、将来のイメージを持つことが難しいからです。
ネガティブよりもポジティブに
家族に転職の相談をする上で意識したいのは、ネガティブよりもポジティブな要素を話すということです。
「いや、私は正直に思っていることを話したい」
という人もいるかもしれませんが、それだけでは家族が一丸となって転職に進むのは難しいかもしれません。
というのも、転職に際して、大なり小なりネガティブな要素というものが存在すると思います。
中にはネガティブな要素ばかりって人もいますよね。
〇仕事が忙しすぎてつらい
〇上司のパワハラがひどいので辞めたい
〇こんなに働いているのに安月給でいやだ
〇仕事がおもしろくなくてやる気が出ない
でも、もしこんな理由で転職をしたいと家族に伝えたらどんな反応が返ってくることが想像できますか。
あなたのことを心配して転職を頑張ろうといってくれたらそれは仏のような奥様です。
やはり、
「でも、生活もあるんだから頑張ってよ」
という反応が一般的でしょう。
これだと話し合いもなかなかうまくいきません。
同じ理由から来るものだったとしてもこれを、
〇今は家に帰れないけど、転職して家族との時間を取れるようにしたい
〇家族の将来のことを考えて、今のうちに給料のいいところに転職をしようと思う
といった内容であれば受ける印象はかなり違いますよね。
ポイントは家族のことを考えて転職をしたいというところ。
自分のことばかりではなく、家族のためになるんだということをしっかりと伝えましょう。
相談前に転職したい理由を再確認
さあ、いよいよこれで家族と転職の相談をする準備はできましたね。
そこで、相談をする前に、自分がなぜ転職をしようと考えているのかをもう一度振り返っておきましょう。
家族を説得しようと考えるばかりに、自分の考えの根幹部分がぶれていたら意味がないですよね。
自分が転職をしたい理由。
それを再確認できたらあとは気持ちを伝えるだけです。
転職は家族みんなで行うものです。
話し合いがいきなりうまくいく場合ばかりではありません。
場合によっては、やっぱり転職はしないということになるかもしれません。
でも、それも一つの形。
同じ屋根の下で共に歩んでいくパートナーです。
出来る限りお互いの気持ちを尊重しながらよりよい方向へと持っていきましょう。
