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障害者雇用は増えている!厚労省の統計から見た現状。

国が障害者雇用の促進に向けて動いているのは多くの人が知っているところです。

法律で定めらた企業の法定雇用率は2.2%。

公的機関だと2.5%ですね。

こうした規定や各種の支援もあったことを受けて障害者雇用は増えてきています。

実際の障害者雇用の現状について、厚生労働省が出した統計から見ていきましょう。

民間企業の障害者雇用

まずは民間企業で見てみましょう。

民間企業における法定雇用率は2.2%です。

ですので、100人規模の会社であれば約2人。

1000人規模の会社なら22人雇用しましょうねということです。

令和2年度で見てみると、障害者雇用数も雇用率も過去最高となっています。

障害者雇用数……578,292人

対前年比で3.2%(17,683人)増加

実雇用率……2.15%

法定雇用率達成企業割合……48.6%

民間企業では58万人弱の障害者雇用が行われています。

残念ながら実雇用率は、法定雇用率の2.2%に届いていませんが、前年度よりも0.04%の増加となっています。

平成20年度では1.59%で、平成26年度では1.82%であったことを考えると、毎年度少しずつではありますが、実雇用率が上がってきていることがわかります。

障害別に雇用状況を見てみると、

〇身体障害者……356,069.0人(対前年比0.5%増)

〇知的障害者……134,207.0人(同4.5%増)

〇精神障害者……88,016.0人(同12.7%増)

となっており、身体障害者の雇用が一番多いですが、伸び率でいえば精神障害者の雇用が増えてきています。

実際に私が働いている会社でもここ3年で、身体障害者1名、精神障害者2名の雇用がありました。

公的機関での雇用状況

公的機関というのは、

〇国の機関

〇都道府県の機関

〇市町村の機関

〇都道府県等の教育委員会

国の機関というと法務省や総務省といった国家公務員が働くような機関や施設ですね。

都道府県だと県庁、市町村だと市役所などがわかりやすい例になります。

公的機関は、法定雇用率が民間より少し高く、2.5%(教育委員会は2.4%)となっています。

実際の障害者雇用数と雇用率を見てみると、

〇国の機関……9,336人で、前年より23.2%(1,759.0人)増加。

実雇用率は2.83%と、前年に比べ0.52ポイント上昇。

〇都道府県の機関……9,699.5人で、前年より7.4%(666.5人)増加。

実雇用率は2.73%と、前年に比べ0.12ポイント上昇。

〇市町村の機関……31,424.0人で、前年より8.4%(2,446.0人)増加。

実雇用率は2.41%と、前年と変わらず。

〇都道府県等の教育委員会……は14,956.0人で、前年より11.0%(1,478.5人)増加。

実雇用率は2.05%(都道府県教育委員会は2.06%、市町村教育委員会は2.00%)と、前年に比べ0.16ポイント上昇。

国の機関や都道府県の機関では、法定雇用率を達成していますが、市町村の機関ではわずかに達成できていません。

教育委員会では、法定雇用率に0.4%近く足りない状況です。

とはいえ、前年に比べるといずれも増加していることがわかります。

なぜ法定雇用率を守るのか

障害者の法定雇用率がありますが、なぜ企業はそれを守ろうと努力するのでしょうか。

企業によっていろいろな考え方がありますが、まずは社会全体で障害者雇用を守り、全員が働ける環境を作っていこうという理念による部分があります。

企業のホームページを見てみると、こうしたことを積極的に外に打ち出している企業もあります。

こうした企業がどんどん増えていくと、本当に社会全体で雇用を守ろうという動きが活性化していいなと思います。

また、法定雇用率を守り、法定雇用率以上の障害者を雇用することで助成金が発生、逆に守れないことで1人あたりにつき、毎月5万円の支出があることも理由に挙げられます。

「お金の話かあ。」

と思う部分もありますが、こういった理由であれ雇用が増えていくのは喜ばしいことです。

障害者雇用はこれからも増える!

障害者雇用はこれからも継続的に増え続けることが考えられます。

法定雇用率についても、令和2年度では、民間企業で2.2%、公的機関で2.5%でしたが、令和3年3月1日にはそれぞれ0.1%引き上げられました。

これに合わせて民間企業でも公的機関でも、障害者の雇用がより促進されていきます。

令和元年に改正された障害者雇用促進法にもとづき生まれた障害者就労支援の団体もたくさんありますね。

こうした支援団体やハローワークなどのサービスも、もっと認知されていくことで、障害を持った方がいざ社会に出ようとするときの助けになると思います。

実際に仕事を探したいと思っている方がいれば、ぜひそうした支援を利用して、希望する仕事に就くことができるように相談していってみてください。