三線の基礎知識その3!です!
三線は沖縄三味線ともいいます。
名前だけ聞くと三線は三味線の一種という風に思えますね。
でも三線と一般的にイメージされる三味線とではサイズも音色も扱いやすさも大きな違いがあります。
では実際に三線と他の三味線とでは何が違うのでしょうか。
今回は、その違いについて紹介していきます。
三線と三味線の成り立ち
三線の歴史については、下記の記事でも書かせてもらいました。
参考に読んでもらえたらと思います。
「三線」と「三味線」は、ともに3本の弦を持つ日本の弦楽器です。
三線は、元々は中国の「三弦」という楽器が琉球王国に伝わったのが三線の起源とされています。
その後、16世紀頃に大阪の堺をとおして本土に伝わり、そこから三味線へと姿を変えていきました。
つまり、三線が先に存在して、それを元に三味線が生まれたということになります。
三味線は、その後、日本各地に広まるとともに、様々な形態を持つようになります。
後述しますが、三味線の中でも大きく3つの分類ができ、それぞれに用途が変わってきます。
三線と三味線の構造上の違い
サイズの違い
三線と三味線を比べると明らかにサイズが違います!
三線はだいたい75cm~80cmくらいが一般的です。
三味線は、90cm~100cmくらいの物があり、三線に比べると一回り大きくなります。
三味線には、
〇太棹
〇中棹
〇細棹
と分類されており、棹の太さがそれぞれ違います。
また、重さも三線がだいたい1kgとなりますが、三味線は2kg~3kgとやや重たくなります。
各種部位の違い
三線も三味線も構造としては、棹と呼ばれる細長い木材の部分があり、その先に、胴と呼ばれる円形上の部分が存在します。
三線と三味線では、
〇使用されている木材
〇胴に巻かれた皮
の部分で大きな違いがあります。
三線は、棹を黒壇や柴壇、カリン、胴には、イヌマキやクスノキ、リュウガンといった木材で作られています。
高級な三線になると、胴の部分も黒壇を使用しているようです。
一方、三味線に使用される木材は、紅木、紫檀、花林といった種類になります。
胴に巻かれている皮は、三線は蛇皮が使用されます。
主にニシキヘビの皮になります。
琉球王国時代は、交流のあったアジア諸国との取引で手に入れていたようです。
蛇皮を使用していることから蛇皮線といった呼び方もします。
三味線は、胴に猫の皮を張っていましたが、現在は犬皮や合成製品が張られたものも多くなっています。
この違いは、日本には、ニシキヘビが住んでいないことからきています。
ニシキヘビの皮の調達が難しかったため、犬や猫の皮が使われるようになったと言われています。
三線と三味線の種類
三線には、大きく7つの型があります。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
主に現在、使用されているのは、真壁型と呼ばれる三線です。
それ以外にも、与那城型や 知念大工型を販売しているお店も存在しています。
ぱっと見では、
「そんなに違わないじゃん!」
と感じるのですが、よく見てみると、棹の太さや、天(チラ)の角度など、細かい違いがあり、三線が好きになってくるとこだわりが生まれてきそうなところです。
三味線は、太棹、中棹、細棹と三種類に分類されています。
棹の太さによって分類されており、太棹が約3cm以上、中棹が約2.6~2.7cm、細棹が約2.5cm以下となっています。
太棹が一番大きな三味線で、津軽三味線がこれに当たります。
音も力強く大きな音を発します。
弾くというよりもたたいて音を出すイメージが近いです。
中棹は、太棹よりもやや小さく、単独で弾くよりも、合奏に適した三味線になります。
琴や尺八といったほかの和楽器と合わせて演奏することが多いようです。
細棹は、中棹よりも更に小さく、長唄三味線とも呼ばれています。
長唄や小唄、出囃子に適しています。
用途や音の違い
三線は、沖縄民謡や奄美の島唄などに使われます。
基本的には弾き語りのスタイルです。
この弾き語りというのがなかなか難しいです。
三味線は、先ほどの三種類によって長唄、小唄を細棹で、地唄、民謡を中棹で、津軽、浪曲、義太夫などを太棹で演奏します。
三線と三味線を聞き比べてみると、明らかに音が違います!
私の主観ですが、三線の方が、音がやわらかく優しいイメージ。
三味線の方が力強く尖っていて、かっこいいイメージです。
終わりに
簡単にですが、三線(沖縄三味線)と三味線の違いについて紹介しました。
どちらも似た作りをした楽器ですが、別の楽器と思った方がいいくらいに違いがたくさんあります。
三線を弾けるようになったとしても、三味線を弾くことは難しいですし、その逆もしかりです。
三線や三味線を始めてみたいという人は、同時に行うのは難しいため、自分が求めるものがどれにあたるのかをよく検討してから始めることを勧めます。