『娘が不登校になりました。『うちの子は関係ない』と思ってた』 小林薫
ぶんか社より出版されている漫画になります。
ちょっとタイトルに惹かれて読んでみました。
不登校は急に来る
これは著者の娘が中学2年生のときに、急に不登校になったことを描いたものになります。
ほとんどの子どもを持っているお父さんお母さんが、この本のタイトルと同じように、
「うちの子は関係ない」
という気持ちがどこかにあるような気がします。
うちは中学校なんてまだまだ先のことですが、読んでいて、そのときの、
「どうしてこうなったんだろう」
「どうしたらいいんだろう」
という気持ちがストレートに伝わってきて、他人事には思えなくなります。
不登校への協力はむずかしい?
不登校の原因って、はっきりこれってのがわかることもあれば、何が原因か本人にもわからないこともあるようです。
公立の中学からは、学年主任や担任の先生、カウンセラーから「学校へきてください」といわれることはあっても、「家にきてくれる人」はひとりもいなかった
という一文がとても印象的で、仮定の話にはなりますが、もし、親身になって話を聞きに来てくれる人がいれば、また違った形になったのかな、学校にも自分のことを考えてくれる人がいるって思えたのかなと考えてしまいます。
私の友人には、教員をしている人が多いので、この本を読んだあとに不登校について聞いてみたことがあります。
友人は不登校の生徒を受け持ったこともあり、最近では珍しいことではないと話していました。
でも実際に、その生徒に対して何ができるのかというと、その家族との調整や他の生徒のこともあるので、簡単に動くことも難しいとか。
なんとかならんもんなんかい!と思いつつ、私が教員ではないからなんとも言えず。
私が小学生、中学生だったころと時代が違うのかもしれませんが、あのころは、ふつうに風邪ひいて休んだだけでも担任が来てくれていたのになと昔を思い返していました。
本の中では、不登校になった娘さんがフリースクールに通うことになります。
そこから話し合って私立の中学校へ。
編入してからもすんなりなじめたわけではなく、通っては休んでを繰り返していたようですが、その娘さんを、
「でも、あせっちゃいけないんだ。見守ってやらないと……」
と、娘さんに寄り添って暖かく支え続けた姿に”母親”というものを感じました。
その後も、うまくいかないことがたくさんあり、著者と娘とで大げんかをしたり、またフリースクールに戻ったりと、本当に大変な数年を過ごしていたようですが、この本の最後では、娘さんが専門学校に入学するところで終わっています。
この続編があればぜひ読んでみたいです。
本にのっていた不登校の知識
また、本の最後には、不登校の原因とされていることについても書いてあったので紹介しておきます。
「不登校」と聞いて、一番はじめに大人が思い浮かべることは、「いじめ」や「友人関係のトラブル」ですが、現在は学校の配慮やスクールカウンセラーの設置といった環境の整備で、それが原因となることは少ないようです。
実は「朝起きられない」ということが、突き詰めるときっかけになることが多いのです。
驚きです。
まさに私はここに書かれている”大人”と同じようなイメージを持っていました。
ストレスや体の成長にともなう自律神経の異常で体内の生活リズムが狂うそうです。
また、不登校の子どもにしてはいけないこととして、
①原因を聞きすぎること
②ハードルを下げすぎること
③無理やり学校に連れていくこと
の3つを挙げていました。
不登校の人数
中学全体から見た割合だと2.76%で96,786人。(平成27年度)
100人に2人から3人くらいは不登校ということになります。
保健室へ通っている子もいるから、実態としてはもっと多いのだろうなって気がします。