日本人はやたらと会議が好きなもので、私の職場でもしょっちゅう会議を開いています。
実際どの職場でも、何かを決めるときに大なり小なり会議をすると思います。
数人で行う小さいものや、部署全体で行うもの。
職場の幹部だけで決めるもの。
様々だと思います。
決められた内容によっては、自分の仕事に関わることもあるのでできれば、望む結果を出したいですよね。
会議の結論を自分の望むものにするためには、
しっかりと根回しをしておきましょう。
根回しというとあまりいい響きではないかもしれませんが、事前準備と置き換えてもいいです。
根回しや事前準備の重要性を説明していきます。
会議の結論は多くの場合、会議の前に決まっている
まず知っておきたいのは、
「会議の結論は多くの場合、会議の前に決まっている」
ということです。
「いやいやそんなことない!うちは話し合って決めている!」
という人もいると思います。
「決まっているなら会議なんて開かないだろう」
そうとも言えるかもしれません。
まだ答えが出ていないから会議をするというのも間違いではありません。
実際に、それぞれが自分なりの意見を持った状態で会議に集まります。
ただ、参加する人には、発言力のある人もいれば、意見があっても口に出せない人もいます。
会議の前に、
〇会議の議案
〇議案に対する普段の周りの考え
〇参加するメンバーとその力関係
〇上司の意見
〇職場の現在の方向性
これくらいのことがわかっていれば、おおよそ会議の着地点が想像できます。
もちろん、その会議の場で、がらっと意見が変わったり、予想と違う方向に流れたりすることもあります。
しかし、経験上、多くの場合は、
「こうなるだろうな」
という結論になります。
だからこそ、会議が始まる前に、自分がのぞむ方向に流れを持って行くことが大事です。
根回しや事前準備って何をすればいい?
では実際にどういうことをすればいいのかを考えていきましょう。
根回しは話が通りやすい人から順番に
議題がわかっているなら、会議の前に自分の意見を他の社員に理解してもらうことが大事です。
でもただ他の社員に話に行くだけでは、
「私は君とは意見が違うから」
と突っぱねられて終わることもあります。
それだと、いくら話して回っても自分の意見を理解してもらえないし、会議のときにのぞむ結果を得ることができなくなります。
根回しをする上で大切なのは、
〇誰に話に行くのか
〇どの順番で話に行くか
この2点です。
ではまず、誰に話に行くのか。
やはり、会議に出る人の中で発言力のある人です。
その人を味方につけることで、会議の流れをつかむことができます。
それが根回しにおいて特に重要なことになります。
では、その発言力のある人から話に行くのかというとそうではありません。
一番最初に話すのは、自分と同じような意見を持っている人です。
自分と同じような意見の人なら、自分の考えを話したときに反対することは少ないですよね。
まずは、自分の意見に賛同してくれる人を見つけます。
そうすることで、別の人に話に行くときに、
「〇〇さんとも話していて、こうするのがいいんじゃないかって話になったんですよ」
と言うことができます。
「自分だけの意見ではなくて、他の人も賛同している意見ですよ」
ということを強調することで、
「その方がいいかもな」
と思いやすくなります。
実際に、二つの結論が用意されていて、どちらもいいなと思っている人がいれば、その人は多くの人が賛同する方に流される傾向にあります。
個人の意見よりも、みんなの総意の方が圧倒的に強いですよね。
そうやって周囲を固めてから、本命の人に話を通すことをおすすめします。
事前準備とは何をするのか
根回しをするにしても、そのさらに前段階の事前準備が必要ですね。
何をするかといえば、議題についてまずは考えることです。
〇議題についての自分の考え
〇自分の考えのいい点・悪い点
〇他の人はどんな意見を出すと思うか
〇その意見のいい点・悪い点
こうやって考えていくことで、自分の意見を補強する材料を見つけられます。
また、自分の意見よりも他の意見がいいと周りが思えば、自分の意見は通りませんよね。
ですので、他の意見がどういうもので、どんなところから良くて、どんなところが悪いのかも考えておきます。
できれば、ここまで考えた上で根回しを行っていくのが理想ですね。
もし、その議題について、これまでも会議にあがったことがあれば、そのときはどうなったのか、なぜそうなったのかなど、過去の動きもわかるといいと思います。
行き当たりばったりで会議に出ると自分の望んでない方向に話が進んでも仕方ありません。
会議ではどうする?
これはその職場によって雰囲気ややり方があるので一概にはいえませんが、私が普段、職場の会議でどのようにふるまっているかを紹介します。
会議の中での優先順位をつけておく
会議の際に、議題が一つだけならそれだけに集中すればいいと思います。
ただ、うちの職場の場合、一度の会議で2つ3つと複数のことをいっぺんに決めます。
そのため、その日の議題の中で、
〇自分が譲れないもの
〇できればこうしたいというもの
〇どちらになっても影響の少ないもの
となんとなくの優先順位をつけています。
会議中、ずっと意見を言い続ける必要はありません。
もちろんすべての議題が自分の望むようになることが理想ですが、それはなかなか大変だし、自分の意見ばかり通そうとすると煙たがれてしまうこともあります。
だから、自分が特に譲れないと思っている部分に対して、熱を込めて話した方が印象に残りますし、自分にとっても望む結果を得ることができます。
反対意見が出ても尊重する
反対意見に賛同しなさいというわけではありません。
自分と意見の違う内容でも、発言自体を否定するのではなく尊重することは大切です。
例えば、
「〇〇さんの意見も、こういう部分で必要だと思います。
ただ、こういうケースも考えられるのでこうしてはどうでしょうか」
といった具合に、 自分の意見を主張しながらも、相手の意見も尊重していった方がいいと思います。
あからさまに否定をされると相手も引っ込みがつかなくなったり、これ以降の関係が悪くなったりします。
意見は違ったとしても、相手が悪いわけではないので、その点を意識して発言することが大切です。
ディベートだと相手を打ち負かす技術が必要になりますが、会議となるとその後もみんなで仕事をしていくので、できる限り丸く収めることが望ましいですね。
一度は自分の意見をきちんと発言する
当然ですが、準備をして、根回しをして、あとはお任せとはいきません。
自分の意見はきちんと発言しましょう。
そうすることで、他の賛同者も意見がしやすくなります。
私の場合、あえて自分と違った意見が出たあとに発言することが多いです。
最後に聞いた意見の方が、頭に残りやすいものなので、できるだけ自分の考える意見で議論が終わるようにしています。
また、あとに意見をする方が、前に出た内容への反論がしやすいという点でもおすすめです。
だれも発言が出なくなってくると、
「〇〇さんは意見ありますか?」
と、同じ意見の人に振ってもいいと思います。
終わりに
どういった会議をするのかはその職場によって違います。
ですので、どのようなやり方が合っているかもその職場によって変わってきます。
それでも、事前に準備をすることや、根回しをしておくことで、ある程度は全体の意見を調整することができます。
昔からのやり方や慣習を変えていきたいときには、特にこうした行為が重要です。
せっかく会議を行うのであれば、多少手間があっても、有意義なものにした方が、その後の仕事もしやすくなります。
可能であれば、職場全体にとっていい方向に会議を流していきたいですね。