出産・育児

『お産トラウマ』とは?『お産トラウマ』の原因とその対処法。

みなさんは『お産トラウマ』という言葉を知っていますか。

 

私は妻の出産後、育児関連の本を読んだ中で初めて知りました。

この『お産トラウマ』を抱えることで、その後の育児や、家族計画に支障が出ることもあります。

 

書評にもしましたが、改めて学んでみたので、多くの方に『お産トラウマ』という言葉を知ってもらうために記事にしたいと思います。

 

お産トラウマとは?

お産トラウマとはなにか。

お産に関わるトラウマのこと。

お産についての嫌なイメージが残ってしまい、自分自身を責めてしまったり、二人目以降の出産に消極的になってしまうことを言います。

 

以前にNHKの『あさイチ』でも紹介されていたようです。

人によってその程度に差はあると思いますが、お産を終えたあとに、このお産トラウマを持つ人が実に4割もいました。

中には、

「理想のお産とのギャップに苦しんでいる」

「自分に自信がなくなって育児に集中できない」

という人もいるようです。

 

お産自体が、女性にとっては命がけの行為です。

その後の育児にしても、お産によって身体がぼろぼろになった中、行わなければいけません。

可能な限り、お産を無事に終えて育児に集中できることが理想だと言えます。

 

『お産トラウマ』の原因とは?

お産トラウマには大きく分類すると、以下の4つの原因があります。

〇じぶんが理想としていたお産ができなかったことによる挫折感

〇お産中の病院、スタッフの対応に対する不満

〇帝王切開や会陰切開など想定していない医療措置に対する不満、不信感

〇夫や両親など家族の言動や対応

 

挫折感

女性は妊娠が発覚してから長い期間を戦っています。

 

お腹の中でちゃんと成長してくれているか、五体満足で産まれてくれるだろうか、と不安になることもあります。

自分が食べる物、飲む物にとても神経を使う人もいます。

 

体重管理も大変ですよね。

「これ以上体重は増やさないように」

と助産師さんに怒られた経験がある人も多いと思います。

 

そうして頑張ってきてようやく迎えたお産のときに、自分の理想と違う形になり、それによる挫折感からお産トラウマになる人がいます。

 

安産を目指していたのに、24時間以上かかる難産だったり。

自分でも想像していなかったような叫び声をあげてしまったり。

 

男性からすると、母子ともに無事でいてくれたというだけで嬉しいことこの上ないのですが、それまで努力をしてきた分、

「どうしてなの?」

と感じてしまう人もいるそうです。

病院や医療スタッフの対応への不満

「陣痛が始まって長時間放置された」

「スタッフに嫌味を言われた」

「主治医が検診に来なかった」

といったことが挙げられます。

 

実際に私は立ち合い出産を行いましたが、病院スタッフはとにかく忙しく走り回っていました。

私たちが利用した病院は、複数の陣痛室と分娩室がありました。

ですので、同時に複数の人のお産が始まっていました。

 

私たちがいた陣痛室もずっとスタッフがいるわけではなく、少し状態を確認したらすぐ次の人のところに行くといった感じでした。

私は立ち合い出産をすることができたので良かったですが、実際に陣痛室に一人取り残されたらとても不安な気持ちにもなるし、不満を感じてしまうのはわかる気がします。

 

下記が立ち合い出産をしたときのことを書いた記事です。

『立ち合い出産で後悔しないために~心構えと夫の役割~』

 

想定していない医療措置への不満

会陰切開

帝王切開

陣痛促進剤

事前に説明もなく、こうした医療行為をされたことに対しても不満が挙げられます。

 

医療行為はどのようなものでも初めての経験だと不安を感じるものです。

説明があったとしても大丈夫かなと思ってしまいますよね。

 

妻も陣痛促進剤は使いましたが、

「帝王切開だけはなんとか避けたい!」

とずっと話していました。

緊急で必要となれば仕方ないことですが、そうした自身の気持ちとのずれはなかなか解消されません。

家族の言動や対応への不満

上記3つは、仕方のない部分もあります。

でもこれについては、家族側がしっかりと女性の気持ちに配慮していなければいけないことです。

夫がお産に対して、

「自分は仕事があるから」

といって、最初から関心を持とうとしなかったり、両親が産後の疲れているときに嫌味を言ったり、ダメ出しをしたりといったケースがあるようです。

 

相手に悪気のないケースも多いと思います。

でも出産を控えていたり、出産後で疲れていたりするときには、悪気のない一言に傷つくこともあります。

周囲の人は極力理解をして適切な言動を心掛ける必要があります。

 

『お産トラウマ』の対処法

お産トラウマにならないための対処法としては、

〇出産に完璧なものはないということを知っておくこと

〇医療行為についてそれが必要な場合を想定しておくこと

〇夫や両親が事前にお産についての理解を持つこと

〇バースプランで病院側への要望を明確にしておくこと

〇出産後にバースレビューを行うこと

などが挙げられます。

 

出産が完全に自分の理想通りになるということは考えられません。

どんなにお産前に様々な努力をしていたとしてもです。

ですので、もしも自分の理想と違っていたとしても、

「お産とはこういうものだ」

という気持ちを持ち、自分を責めることがないようにしましょう。

 

帝王切開や陣痛促進剤もそうですね。

できることなら避けたいと考えている人は多いと思います。

でも、行うときには病院側が必要だと考えるから実行するのだと知っておきましょう。

 

 

夫や両親への理解をしてもらうこと。

できればこれは夫側から自主的に考えてほしいことです。

特にお産後は、妻は肉体的にも精神的にもぼろぼろです。

そこで自分本位の言動は絶対に控えなければいけません。

お産を頑張った妻をきちんと労わってあげれるようにしましょう。

 

 

バースプランは、お産に関しての要望を病院に出すことです。

私たちも、たくさんの要望をバースプランに書いて提出しました。

ここでよく考えて要望することで、少しでも自分が望んだお産に近づくことができます。

 

 

バースレビューとは、お産体験を、そのときの気持ちや小さな出来事を思い起こしながら、紙に書いてみたり、人と話してみたりすることです。

この書くという行為。

人に話すという行為。

これは自分の中のわだかまりを吐き出すためにとてもよい効果があります。

 

お産に限らず、悩んだときや苦しいときにそうしたことをすると少しすっきりしますよね。

こうした行為を通して、自身のお産体験と向き合うことができるようになります。

 

終わりに

ここまで、『お産トラウマ』がどういうものなのか、どう対処していけばいいのかということを紹介してきました。

子どもを産むという行為はとてもすごくて尊いものです。

だからこそ、そのお産が嫌な経験となってしまっては残念です。

 

そのためにも、まずは知ることが大切であり、周囲の協力も必要です。

本人だけでなく家族みんなでお産というものを乗り越えていければと思います。