仕事

【電話応対】新人が知っておきたい基本の14ポイント

社会人として働き始めて戸惑うことの一つ。

それは電話の応対です!

電話の応対の仕方には様々なルールがあります。

中には、

「なんでこういうやり方をするの?」

と疑問に思うこともありますが、一般的なやり方を知らないと恥をかくことになります。

新人の頃の私も、今思えばなんてとんちんかんな電話応対をしていたのだろうと。

先輩たちからもたくさん怒られたり笑われたり。

そうならないための参考になればと、今回は、私が職場で電話応対をしながら学んだ電話応対時の基本を紹介していきます。

電話の基本編

電話はなるべく2コール以内に出る

人間の嫌なこととして挙げられるものの一つ。

それは、待たされること!

これは仕事でもプライベートでもそうだと思います。

パソコンの画面を見ながら読み込みが遅いことにもイライラしますよね。

 

それと電話も同じです。

かけてくる人は相手が電話にすぐ出るのが当たり前と思っています。

早く出てくれた方がすんなり仕事の話に入れます。

逆にいつまでたっても出てくれないとその時点でマイナスから始まってしまいます。

そこで電話は2コール以内には取ることを意識しましょう。

 

私の会社なら常に2コール以内、感覚的にほとんどの会社は同様です。

1コール以内に出るとても早い会社もあれば、いつも電話に出るのが遅い会社もあります。

仕事の中で電話をしていると、早い会社はだれが出てもいつも早い!

遅い会社はいつだって遅い!

これはそのまま相手の会社への評価の一つになります。

当然、早く出てくれる会社の方が仕事ができるイメージがつきます。

〇相手に嫌な気持ちをさせない
〇電話に出るスピード一つで会社が評価される

という点からも早く出る必要があります。

明るい声と表情を意識する

【明るい声で話す】

電話をかけてきた方のことを考えれば当然その方がいいですよね。

でもこれができていない人が実はあまりにも多いのです。

私の仕事先でも、忙しいのか急かすように話す人や、

「はぁ。はい」

といった気のない返事をする人もいます。

こういった会社に電話するときは少し気が重いものです。

 

電話先の声が明るいだけで、話しやすさが違います。

逆に低い声でぼそぼそと話されたり、高圧的な応対だと話したいことも満足に話せない可能性もあります。

話しづらい雰囲気にしたり、電話をかけづらくしてしまったりするのは長い目でみると大きなマイナスです。

ですので、電話を出る際は、それまで同僚と真剣な話をしていても、つとめて明るく出るようにしましょう。

 

また、電話応対中の表情も明るいものにするのがポイントです。

「表情は相手にわからないのに?」

との疑問もあると思いますが、口調だけ明るくするのはなかなか難しい。

でも、表情を明るくするようにすると、自然と口調も明るくなります。

必ずメモとペンを近くに用意しておく

私の職場であれば、電話窓口に1時間に20~30件程度の電話がかかってきます。

1日にすると、単純計算で160件~240件とかなりの量です。

ほとんどはそこから転送して各部署に回すことになります。

会社によって件数はかわりますが、これだけの電話に出ていると、転送するときに、

「どこの誰からだったっけ?」

ということもあります。

相手の所属と名前だけでも意外と覚えられないものです。

 

でも、メモの準備をしておくだけで焦る必要がなくなります。

〇〇商事の田中さんからの電話であれば、

『〇〇、田中』

とだけメモに書き残すことができればそれで担当者につなぐことができます。

 

担当者が不在というときにもメモが必要になります。

電話相手に不在を伝えてそれでおしまい……というわけにはいきませんよね。

電話があったことはもちろん、折り返してほしいのか、何か伝言はないのか等、のちほど担当者に伝えることになります。

その際、通話中にメモを探して相手を待たすのは失礼にあたります。

事前に手元に準備してスムーズに要件を聞くことができるようにしましょう。

電話の応対編

きちんと会社名を名乗る

これは当たり前ですが、新人だとそれもわからない場合があります。

個人の電話を出るときと同じように、

「もしもし」

と出てしまうなんてことも。

会社名を名乗ることは、電話をかけた方に対して、

「うちは〇〇株式会社だけど間違っていなければご用件をどうぞ」

と伝える役割と、自分自身が、

「会社の一員として電話に出ている」

という精神面での意味を持ちます。

といった理由はありますが、単純に自分がどこか会社にかけたときに名乗られないと困りますよね。

会社によって、

・会社名のみを伝える

・会社名と部署名を伝える

・会社名と個人名を伝える

・会社名と部署名と個人名すべてを伝える

といったように、伝える内容が異なります。

そのあたりは周りの先輩の応対を見たり教えてもらったりしましょう。

電話の第一声をどうするか

電話の第一声で迷うことがあります。

〇〇商事が電話を受けたとします。

・午前中(10時~11時ころまで)なら「おはようございます。〇〇商事です」

・それ以降の時間帯なら、「はい。〇〇商事です」

・2コール以内に出れなかった場合、「お待たせいたしました。〇〇商事です」

時間帯や状況にあわせて、あいさつ+会社名となるのが一般的です。

私の会社の場合、朝の時間帯がややこしいため、

「はい。〇〇株式会社です」

で統一しています。

電話にすぐに出られなければ

「お待たせいたしました」

ということもありますが、2コールを超えることがほとんどないため、使う機会もありません。

名乗ったあとの「いつもお世話になっております」

これは新人のころ不思議に思っていたことです。

電話に出て、相手が名乗ったら必ず、

「いつもお世話になっております」

ということです。

これはもうどの会社でも定型句のように使われている言葉です。

初めて聞くような会社に対しても使っているので違和感がありましたが、意外と大切な「いつもお世話になっております」です。

というのも、電話をかけた際、相手が出て会社名を名乗り、こちらも名乗り返しますよね。

そのあと相手が無言だと、そのまま要件をいっていいのか迷ってしまいます。

そこでワンクッション。

「いつもお世話になっております」の一言が挟まれることで、こちらも要件をスムーズに切り出せるのです。

とはいえ、あまりに気持ちがこもっていないとそれは伝わるので気をつけましょう。

担当者につなぐときは必ず保留ボタンを押す

電話に出て自分あての要件でないときは担当者につなぎます。

その際、保留ボタンを押して、転送(もしくは保留ボタンを押して、担当者にそのまま電話を渡す)というのが一般的です。

でもたまに、担当者が近くにいると、

「〇〇さーん。電話!」

と保留ボタンを押さずにいう人もいます。

うちでは主に年配のおじさま方ですが。

手で押さえれば……なんていう人もいますが、これはダメなパターンです。

相手方にしっかり声が聞こえてしまっています。

私もときどき電話先でされますがちょっと笑ってしまいます。

たとえ近くに担当者がいたとしても、保留ボタンを押すのが常識と思っておきましょう。

担当者が不在のときは

保留ボタンを押して転送……したものの担当者が不在のときもあります。

そうした場合、

「お待たせいたしました。大変申し訳ありませんが、〇〇は現在△△で不在にしております。戻りは××時ころの予定となっております」

とお伝えするのが基本です。

このあたりもマニュアルが会社によって備わっているかもしれません。

まず最初にお待たせしていることに言及します。

そして、不在にしている理由、何時に戻る等担当者の動きについてお伝えします。

このとき、不在の理由は、多くの場合は、外出中、会議中、少し席を外しているのどれかになるかと思います。

馬鹿正直に「トイレです」、「さっきまでいたんですけど」などとはいう必要はありません。

また、担当者がいつなら連絡が取れるのかをお伝えすることも重要です。

目安でいいのでお伝えしないと、相手側はいつかければいいのかわからず、何度も無駄骨を折ることになります。

不在時の電話の終わり方

担当者不在を相手方に伝えました。

ではそこで電話を切ってしまっていいのか。

ダメではありませんがあまり親切でもないですね。

そのまま切った場合、相手方が担当者につながるまで何度も電話をかけてこなければいけなくなります。

担当者が不在、不在の理由、何時ころ戻るのか等を伝えたら、

〇「なにかお伝えしておくことはこざいますでしょうか」

〇「16時ころに〇〇が戻りますのでこちらから折り返させていただきます」

といったように、伝言があれば受け、こちらから折り返すこと、わかれば何時ころ折り返すことができそうかを伝えられるとよいです。

このあたりを伝えると、相手も、

「いや、このあと電話できなくなるので明日にでもかけなおします」

といったように方針を決めやすくなります。

相手から、

「では戻ってきたら電話をするように伝えてください」

とはなかなか言い出しづらいのでこちらから声をかけるのがよいかと思います。

折り返し先の連絡先を聞く

折り返しの電話が必要な場合、連絡先を聞くことになります。

「でもお得意様なら聞かなくてもわかるのでは?」

と思うかもしれませんが、念のため確認をしておきます。

理由としては、

〇会社の番号ではなく携帯電話にかける場合がある

〇会社の番号自体がかわっていることもある

〇担当者が電話番号を調べなくてもすぐにかけれるように

などがあげられます。

会社の固定電話だと、ディスプレイに電話番号が表示されることもありますよね。

そうした場合は、

「連絡先はおかけくださった番号でよろしいでしょうか」

と省略することもできます。

 

連絡先を聞いたら必ず復唱をします。

私の場合、

「それでは復唱させていただきます」

と述べ、確認が取れたら、

「ありがとうございます。それではのちほど〇〇から連絡いたします」

といった形で締めます。

復唱の前に、「お手数をかけますが……」といった言葉を入れるのも丁寧でいいかと思います。

最後にこちらの名乗りをするかどうか

よくコールセンターなどに電話をすると、最後に、

「〇〇コールセンターの△△が承りました」

と丁寧に誰が電話応対をしたのかを伝えてくれる場合があります。

これは、確かに誰が責任を持って受けたのかを伝え、電話をかけた側に安心してもらう意味合いがあります。

しかし、すべての会社や場面において必要かというとそうでもありません。

 

私の職場では、名前は聞かれなければ答えません。

相手によっては、たとえ聞かれても答えないこともあります。

ただ、「〇〇課の職員です」といった返答をします。

このあたりはどういった仕事をしているか、会社の方針によって異なります。

もちろん、名乗った方が丁寧ではありますが、名乗ることによるトラブルもあるため、会社の方針を確認しましょう。

電話の応用編(うちの会社の場合)

ここまで電話応対の基本的なことを紹介してきました。

しかし、これらすべてをどの電話に対してもしっかりと行うのは非効率でもあります。

また、どうつなぐか悩むケースもあります。

そこで、一般的な作法ではないですが、うちの会社の場合として応用編をお伝えします。

相手の連絡先を聞くことについて

折り返す場合に相手の連絡先を聞くことについて。

基本的には先述したとおりきちんと連絡先を聞いています。

しかし、頻繁に連絡を取っている相手の場合多少省略をすることも。

たとえば、

「名刺に書いてある連絡先でよろしかったですか?」

と確認したり、

「それではのちほど会社の方に折り返すように伝えておきます」

とだけ伝えたりします。

相手が営業の方だと、会社に電話した方がいいか、携帯電話がいいかくらいの確認はしています。

こういった会社の場合、電話の短縮ダイヤルに登録して間違いがないようには対策しています。

担当者に取り次ぐ際の省略

私の職場では、各部署への直通の電話がありません。

そのため、電話窓口に一度すべての電話が集まり、電話が来ては転送の繰り返しになります。

実際に転送する場合、

〇相手の所属

〇相手の名前

〇電話の要件

を聞いて担当者につなぎます。

これが基本になります。

イメージとしては、

「お疲れ様です。総務課の△△です。〇〇商事の加藤様からお電話が入っております。要件としましては、先日見積もりを依頼した案件についてとのことです。よろしくお願いします」

といったところでしょうか。

でも一日に200件以上ある電話に対してこれをすべて馬鹿正直にすると時間がかかって仕方ない!

電話に出る以外にも仕事はたくさんあるので、省略できるところは省略しています。

私の場合、上記の内容だと、

「お疲れ様です。△△です。〇〇の加藤様からです。お願いします」

くらいに短くなります。

ただし、ここまで短くするのは、よく連絡を取り合っていて、だいたい要件がわかっている場合になります。

もう少し複雑な内容や問い合わせ、新規の方などであれば、できるだけ要件を聞いて、丁寧に担当者に伝えています。

何も考えずに電話つなぐのはNG

電話をつなぐ際に、何も考えずに担当者につなぐと問題になるケースもあります。

〇不動産会社などの営業の電話

〇クレーム

〇偉い人からの電話(他会社の社長など)

などが考えられます。

これらはたとえトラブルにならなくても、あとでつないだ先から苦情をいわれることにもなりかねません。

営業の電話

営業の電話は、職場の幹部クラスにときどきかかってきます。

会社名を名乗らないもしくは、会社名が聞いたことがなくあやしいと感じたら高確率で営業です。

その場合、改めて会社名を確認し、要件を聞きます。

そこで素直に営業だといえば、

「申し訳ありませんが、そういったご用件はおつなぎできないことになっております」

とお断りしています。

でも判断に迷うときがあります。

そうしたときは、いったん保留にして、周囲の人にこういった電話が来ていると相談します。

だいたいこの時点でつないでいい電話かどうかが判明します。

それでも判断がつかないときは、該当する幹部に電話をし、つないでよいか、それともこちらで処理をするか尋ねています。

クレーム

次に悩むのがクレームの電話です。

一般的なクレームなどであれば、自分たちの部署で受けて可能な限り対応します。

対応が難しい場合、専用の担当者につなぐこともあります。

しかし、いきなり個人名を挙げてつないでほしいと言われることもあります。

これが取引先などではなく、クレームの場合、やはりつなぐとトラブルになることも。

こうした方は、

「ちょっと〇〇さんにつないでほしいんですけど」

といったように一般的な電話応対の仕方に沿ってはいないためわかりやすいです。

あとはどう対応するか……できればかかってきてほしくない部類です。

偉い人からの電話

ときどき他会社の社長などのいわゆる偉い人からの電話があります。

「〇〇商事の代表取締役の△△です。□□社長をお願いできますか」

といった形で名乗ってくれるとありがたいのですが、こうした立場にいる方は、かなりの確率で役職名をいいません。

そのため、

「この電話って果たして社長に直接つないでいいものなのか」

と悩むこともしばしば。

そこで私の場合は、かかってきそうな取引先の重要な方については、一覧にしてすぐに見れるようにしてあります。

相手の立場を考えればあまりお待たせするわけにもいかないのでこうした対策が必要です。

ただ、私の職場の場合、こうした重要な方からの電話は電話窓口を通さず、直通電話の方にいくためまれなケースではあります。

おわりに

ここまで私が経験した中で学んだ電話の応対について紹介してきました。

慣れてくるとどうってことのない電話応対ですが、新人のうちはとにかく緊張します。

なにしろ、何をどう話してどうつなげばいいかがわかりません。

自分が新人だったころを思い返しながら、知っておいた方がいいなと思ったことを書かせていただきました。

これが読んでいただいた皆様の役に少しでも立てば幸いです。