今の仕事に不満を持っている人は世の中にたくさんいると思います。
中には、
「もうこの会社は無理だ!」
と思い転職を考えている人もいるでしょう。
でも様々な要因から人はなかなか転職に踏み出すことができません。
その一つとして挙げられるのが『嫁ブロック』です!
今回は、この『嫁ブロック』について考えていきます。
『嫁ブロック』とは?
この言葉を聞いたことがある人はどれくらいいるでしょうか。
私が知ったのは、2018年12月4日の読売新聞の記事からです。
『嫁ブロック』!!
とても手ごわそうな響きですね。
嫁ブロックとは、
”転職や起業をしたいと思った既婚男性が、妻から強く反対されて断念するケース”
(2018年12月4日付『読売新聞』より)
のことをいいます。
もともとは、企業の採用担当者などが使用していた業界用語であったようです。
しかし、時代とともに言葉の使われ方も変わっていきます。
40歳前後のミドル世代の雇用環境が良くなるにつれて、転職をしたいと思う人が増えてきます。
そうする中で、妻の反対により転職を断念する人も増えてきて、こうした言葉が使われるようになりました。
実際に内定が決まったあとに、
「妻に反対されてしまって……」
と内定を辞退するというケースもあるようです。
なぜ『嫁ブロック』が起こるのか
では、なぜ嫁ブロックは起きてしまうのでしょうか。
考えられることとしては以下のようなことがあげられます。
〇住宅ローンへの不安
〇子どもの養育費・教育費への不安
〇安定している生活を手放すことへの不安
〇夫の今後への心配
それまでの生活がそれなりにうまくいっているのであれば、新しい世界に飛び出すことはなかなか勇気のいることです。
特に子どものいる家庭であればなおさらでしょう。
株式会社『エン・ジャパン』が、同社の転職サイト『ミドルの転職』の中で行ったアンケート結果があります。
これは、2018年に、同サイトを利用している957名の35歳以上を対象に行ったもので、『「家族の転職反対」について』というアンケートになります。
アンケートによると、家族に反対をされたことがある人は全体の46%であり、配偶者(パートナー)が反対をしたとする人が36%でした。
これは前回同様のアンケートをとったときが23%だったため、大幅に配偶者による反対が増えていることを指しています。
また、実際の反対の理由としては、
1位 「年収の低下」44%
2位 「『大手企業』という肩書がなくなるから」19%
3位 「勤務地が遠い」18%
という順位になっているようです。
またそれ以外にも、「転職先のいい噂を聞かない」、「ベンチャー企業だから」、「残業が多そう」といった理由もあります。
反対された理由に「年収の低下」をあげた人は、どれくらい年収が下がることになっていたのかで、一番多い群は、100万円~199万円、次に200万円~299万円、三番目に50万円~99万円となっています。
ともに家計を支えていく立場である妻からしたら、こうした現実の生活に直面することは気になりますよね。
『嫁ブロック』が起こさせないために
ふだんから仕事の話をしておく
「自分の仕事のことを妻に話すのが苦手」
という人もいると思います。
仕事で自分が辛いということを伝えると心配かけてしまうからと遠慮していわないという優しい人もいることでしょう。
ただ、もし転職をするのであれば、妻には現状をきちんと伝えておくことが大切です。
夫が家に帰ってきて、急に、
「転職しようと思う!」
と宣言したらどうでしょう?
なにがあったのって思いますよね。
急なことで先のこともわからず不安にもなると思います。
でも、ふだんから仕事の話を聞いていれば、少し受け止めて話を聞く余裕が生まれます。
転職により何が変わるかを丁寧に説明する
反対するときの一番の理由は不安からくるのだと思います。
ではなぜ不安なのか。
それはわからないことが多すぎるからです。
「転職しようと思っている。信じてついてきてくれ」
だけでは、何を信じればいいのでしょう。
具体的にどういう生活に変わるのかということを説明しましょう。
例えば、
〇収入(月収とボーナスと)
〇勤務形態
〇残業や通勤時間
〇家族サービスはどうなるのか
〇妻や子どもへの影響
といったことがあげられます。
これだけでも少しは先のことが見えてきますよね。
事前に貯金をしておく
ふだんから仕事の話をしている。
具体的に今後のことも話した。
でもまだ大切なことはあります。
それはお金のこと!
やはり、夫が転職をするときに一番ネックになるのは収入面です。
妻からすれば、この先、収入がどうなるかわからない不安があります。
少しの間でも安心して生活できるだけの貯金をしておくことをおすすめします。
貯金があれば、そのお金で生活をしながら就職活動もできます。
貯金があれば、多少、最初は収入が下がったとしても説得できる材料になります。
転職をしたいという気持ちを隠さずに伝える
「転職をしよう!」
と決意をした人は、その時点で簡単な気持ちでそう思ったわけではないと思います。
〇家族の将来を考えて決断をする人
〇自分の夢をかなえたいという人
〇もっとキャリアアップしたいという人
〇今の職場に将来性を感じなくなった人
そこにどういう考えをめぐらせて、何を思ってたどり着いたのか、これって言葉にしないと家族には伝わりませんよね。
最初は反対をしていても、本気で転職をしたいと考えていればその思いは伝わるかもしれません。
終わりに
転職というのは一大決心です。
自分だけでなく家族にとっても一大事です。
自分だけで考えるのではなく、家族みんなで話し合って、納得した形で新しいスタートをきれるようにしていきましょう。
そのためには具体的な話をしなければ伝わりません。
感情だけでは話がこじれる可能性も出てきます。
転職先のどんな候補があるのか、待遇はどの程度のものなのかまでわかると、転職後の生活がイメージしやすくて理解してもらいやすくなります。
まずはそうした転職先の候補を見つけてから家族と話し合うといいかなと思います。
マイナビジョブ20’s