
『ツレがうつになりまして。』
細川 貂々
幻冬舎文庫から出版されている『ツレがうつになりまして。』を読みました。
この本自体はずっと知っていて気になっていたのですがようやくです。
どういう本なのか
スーパーサラリーマンだったツレがある日、突然「死にたい」とつぶやいた。
会社の激務とストレスでうつ病になってしまったのだ。
明るくがんばりやだったツレが、後ろ向きのがんばれない人間になった。
もう元気だったツレは戻ってこないの?
病気と闘う夫を愛とユーモアで支える日々を描き、大ベストセラーとなった感動の純愛コミックエッセイ。
(『ツレがうつになりまして。』の裏表紙より)
と、説明書きがありました。
この本。
文庫本だし、私はずっと小説だと思っていたんですね。
読んでびっくり!漫画で描かれていました。
裏表紙にあるように、「純愛コミックエッセイ」なんです。
「小説じゃなかったのかー」
と少し残念に思っていましたが、読んでみるとこれは漫画で正解です。
もちろん、文章だけでも、情景や内容が伝わってきたと思いますが、漫画で描かれていることでよりリアルに当時の様子が想像できました。
説明書きのとおりですが、著者の細川貂々さんのツレ(旦那様)が、それまでばりばり働くスーパーサラリーマンだったのに、突然うつ病になってしまった話を本にしています。
うつ病になった原因として、ツレの勤務形態が大きく変わったことが挙げられていました。
ツレはハードウェアメーカーのサポート係をしていましたが、30人いた従業員がリストラにより5人にまで減らされてしまいました。
最初は、その5人の中に入ったので、
「期待されている!がんばるぞー」
という様子だったようですが、従業員が減ったことによって、業務が激増。
一人でサポートセンターをまわし、ハードウェアの修理をし、在庫管理をし、英語ができないのに外国の本社との交渉までするという激務の日々。
そんな状態が半年ほど続き、徐々に疲れすぎて仕事がいやになったり、失敗ばかりするようになったり、眠れなくなったりしたようです。
そしてある日、
「死にたい」
というようになり、病院に行くとうつ病と診断されました。
この本では、そうしてツレがうつ病になってからの大変だった時期や、夫婦で乗り越えてきた話が描かれていて、うつ病の大変さと、それを見守り続け、共に闘っていった夫婦の愛がとても伝わってくる一冊でした。
映画化されています
2011年に上映されました。
著者の貂々さん役を宮崎あおいさん。
ツレ役を堺雅人さん。
キャッチコピーは、
「ガンバらないぞ!」
「すこやかなる時も、病める時も、君と一緒にいたい。」
だったそうです。
私自身はみたいなと思いつつ見れていなかったので、せっかく本を読んだので近々見てみようと思っています。
実は身近なところにも……

この本を読むまで割と他人事だったのですが、よくよく考えてみると、割と身近にうつ病になった人や近いところまでいった人がいたことを思いだしました。
まず、実の弟!
はい。
何を忘れているんかという感じなのですが、いますっかり元気なので忘れてました!
弟が大学を卒業後、仕事を始めて3年くらいしたときです。
当時建設系の職場にいたのですが、現場に行くのに毎朝5時起き。
家に帰りつくのは夜の11時。
休日にも、終わっていない仕事をするために職場へ。
そんな生活に疲れ切っていた弟。
仕事が大変なのを知っていたので、ある日、
「大丈夫かなー」
と思って電話をしたところ、
「最近、車を運転しているとさ、そのままガードレールにぶつかりたくなるときがある」
なんて言い出すんです。
「これはまずい!」
と思い、家族ですぐに仕事を辞めて実家に戻るように説得をしました。
実家に戻ってからはかなり順調に回復して、2年後には実家から通える新しい職場に元気よく出勤しています。
大学時代に一番お世話になっていた先輩
とてもお世話になった先輩で、人生の師匠!という感じです。
かなりバイタリティあふれる人で、後輩の面倒見がよく、みんなに慕われていました。
先輩が卒業後も頻繁に連絡を取り合っていたのですが、半年したくらいから連絡が取れなくなり。
そこから1年くらいして久しぶりにメールが届きます。
メールには、連絡が取れなくなっていたことへの謝罪と、精神的にきつくなって仕事を辞めてしまったこと、今は実家で暮らしながらアルバイトをしていることが書かれていました。
連絡が取れなくなって心配だったので、とにかく連絡が取れてほっとしました。
しばらくして会ったときには、以前会ったときよりもかなり痩せてほほがこけていたのが印象的です。
話によると、働いていた職場の一日の仕事がなかなかその日のうちに終えることができず、翌日にはまたその日にやらなければいけない仕事があり。
そうしてどんどんできていない仕事が溜まっていって3か月でパンクしてしまったとのことでした。
私の中では、なんでもできる先輩だったのでとても衝撃でした。
上の二人以外にも、精神的に疲れてしまった友人がいました。
うつ病は他人事ではない
うつ病って、精神的に弱い人がなるものだと昔は思っていました。
でも、自分の周りの疲れてしまった人を見たり、こうして本を読んだりすると、本当に誰に起きてもおかしくないことなのだなと気づかされました。
身近で精神的に疲れてしまった人たちには似たようなところがありました。
・まじめであるところ
・何事も一生懸命取り組むところ
・責任感が強いところ
・とにかく仕事が多忙!
これにあてはまる人ってけっこういますよね。
きついな、忙しいなというときほど、本当は息抜きをできたらいいんですが、実際にそういう場面になると、本人では難しいものです。
また、本書の中では、うつ病になる前の兆候として、
・夜眠れなくなる
・食欲がなくなる
・風邪を引いてからなかなか治らない
・原因不明の背中痛
があったそうです。
もしも、身近にそういう人がいたら、少し気にかけてあげれたらと思います。
本書の「終わりに」の中で次の文章がありました。
「うつ病は後ろめたい病気ではなくて、誰でもなる病気だし、ちゃんと治療をすれば治りますよ、大丈夫ですよ」と、この本を通して皆さんにお伝えできたらうれしいなぁと思います。
そしてたとえ病気になってしまっても「人生の夏休みなんだ」と思ってゆっくり休養してください。その時間は自分と向き合える貴重な時間でもあるのです。
もしも、私自身がそうなってしまったら。
また、身近でそういう人がいたら。
この文章を思い出していけたらと思いました。