社会

辞めたくても辞められない。退職代行サービスの利用は逃げではない

先日、友人と食事に行った際にこんな話を聞きました。

「うちの職場で退職するのに代行サービスを使った社員がいる」

聞いたときはなんだそれは!?と驚きましたが、家に帰って調べてみると確かに退職を代行する会社が出てくる出てくる。

実際に代行サービスを使って退職をしたという声もSNSに上がっていました。

別の転職した友人にも聞いてみましたが利用はしていないけど存在は知っていたと。

 

そう!今は退職さえも代行サービスを利用する時代です。

 

「辞めるのに退職代行サービスなんて使って本当にいいの?」

という疑問もありますが、調べた結果、おおいに使ってよし!

ケースバイケースではありますし、可能なら円満退職が理想。

でもそうとばかりは言えない事情を抱えている人もたくさんいます。

 

そこで、今回は退職代行サービスとはどういうものなのか。

サービスの内容、料金、周りに与える影響等を考えてみました。

退職代行サービスについて知ろう

退職代行サービスとは?

2020年1月13日の東京新聞の記事では、

本人に代わって、退職の意思を会社に伝える「退職代行」のサービスが広がっている。民法上は原則として、辞めたい日の二週間前までに申し出れば退職は可能だが、人手不足を理由に引き留められたり、パワハラなどを受けていて言い出しにくかったりといった事情を抱える人が利用しているようだ。一方で、サービスの質が低く、会社とのやりとりがうまくいかない事例も。(『東京新聞』2020.1.13)

と紹介されていました。

 

退職代行サービスとは何かと聞かれるといたってシンプル。

〇代行サービス業者に相談をする

〇本人が業者に利用料金を払い依頼をする

〇本人に代わって業者が会社に退職の申し出をする

〇本人は一切会社と話をする必要がない

〇めでたく退職

といった流れになります。

退職代行サービスの利用の仕方

利用の仕方もとても簡単。

【退職代行サービス】で検索すればいくらでも業者が出てきます。

その中で信頼できそうなところに電話やメールで連絡をすれば相談にのってくれます。

LINEで依頼を受けている会社もあり退職という言葉に反して敷居は低いです。

多くの会社はなんと即日対応とのこと!

相談者が望めばもうその日のうちに動き出してくれます。

サービスの利用料金

利用料金は業者や相談内容によって変わりますが、

〇安価なところだと1万円台から

〇多くは3万円~5万円程度

〇弁護士事務所だともう少し高額になる

これを高いと取るか安いと取るかはその人次第。

ただ本当に仕事が苦しい人からすると、数万円で開放されると思えば決して高いものではない気もします。

どうして退職代行サービスが増えてきたのか

一般的に退職するときは、事前に退職をしたいと上司に相談するものです。

退職に必要な手続きをしたり、仕事の引継ぎをしたりしながら退職日を迎えます。

しかし、近年は退職の申し出をしても、引き留められたり、退職届を受理してくれなかったりというケースが少なくありません。

私の弟の以前の勤務先もそうした引き留めを行う会社でした。

〇朝は7時ころ出勤、23時ころ帰宅の日々

〇仕事が終わらないため休日もしばしば職場に出勤

〇上司に退職したいと相談するもなかなか応じてくれず

〇弟のところに社長が現れ1年ほど頑張ってみるように説得

〇説得に応じて1年頑張ってみるもののやはり職場が合わず退職を決意

〇再度、上司に相談をするも、「これくらいで辞めるようならどこに行ってもまともに働けない」等厳しい言葉を浴びせられる

〇頑張って働くも職場に行くのが苦痛

〇弟からは、「車の運転中に事故を起こしたくなる」といったやばい発言

〇家族で退職の方向で話をしてようやく退職

弟が最初に退職をしたいと相談してから退職まで1年半かかりました。

このときは私を含め家族みんながその会社に怒っていましたが、これが珍しいことではないんですね。

ちなみに弟は、退職してから1年間の充電期間ののちに地元の会社に再就職しました。

同じように退職したいのに退職できない人たちがたくさんいます。

なんとか今の職場を辞めたい!というニーズが一つの理由でしょう。

 

また、転職をする人が増えてきて、転職をすることも特別なことではなくなってきましたが、以前は入社から定年まで一つの会社が当たり前な世の中でした。

上司にあたる世代の人からすれば、

「なぜ辞めるのだ?みんなつらい時代を乗り越えて今があるのだ」

という発想になってもおかしくありません。

求人難もあり、新しい人を採用するのも大変。

新しい人に一から仕事を教えるのも大変。

部下が辞めたら自分の評価に関わる。

なんていう考えある根底にあってなかなか退職を認めないのかもしれません。

退職代行サービスのメリット・デメリット


上記したこととも重なりますが、退職代行サービスのメリットデメリットを考えます。

メリットとしては、

〇LINEや電話で簡単に相談できる

〇即日対応も可能ですぐに辞められる

〇自分で会社に連絡しなくていい

が大きなところです。

簡単かつすぐに辞められるというのは、精神的につらくなっている人にとっては何よりなことです。

紹介したように、退職を希望してから1年以上退職できないケースもあります。

円満に退職できるにしても、数週間は退職までかかるものです。

また、退職したいということを上司に言うことも難しい人もいます。

辞めさせてくれない会社ですと、これが一番のメリットですね。

 

デメリットとしては、

〇お金がかかる

〇業者によっては有給や残業代等の交渉ができない

〇引継ぎができないため残された人に迷惑がかかる

〇その職場の同僚との関係は悪くなる

などが考えられます。

お金がかかるのは仕方ありませんよね。

しかし、金額は上記しましたが、業者によってかなりまちまちです。

あまり費用をかけたくないけれど、業者によって行ってくれるサービスの範囲が違ってくるためよく確認する必要があります。

また、退職代行サービスを利用した退職だと引継ぎが行われないまま急にいなくなるため、残された人たちにかなりの迷惑をかけます。

当然、これまでの同僚との関係にも影響を与える可能性もあります。

もう関わらないと決めているのであればそれでいいですが、関係を続けたい場合はあまりよい退職方法ではありません。

退職代行サービスは違法?

退職代行サービスは法律に触れるのかという話があります。

問題となっているのは、

「弁護士資格を持っていない人間が、代行して交渉等を行ってはいけない」

ということ。

そのため、弁護士資格等を持っていない退職代行サービスの場合、本当に退職の意思を伝えるだけになります。

例えばそういった業者が必要な資格もないのに、未払いの残業代の請求や有給休暇の取得といった交渉を行った場合は違法行為となります。

そもそも資格のない業者はここまでしかできないという線引きはわかっているので、違法になる行為はしません。

できる範囲での代行となるので利用する場合、どこまでやってくれるのかをきちんと共有しましょう。

できるなら使ってほしくない退職代行サービス

できることなら退職代行サービスを使わないで退職までいけるのが理想です。

「最初におおいに使ってよし!って言ったじゃん」

と思った方。

もちろん使ってよし!です。

ただこれって、デメリットでも書きましたが残された側がとても大変なサービスです。

私の会社でもし部下が退職代行サービスを使ったら……

ちょっと想像をしてみました。

もし、私の部下の誰かが退職代行サービスを利用したら……

とりあえず詰みます(私が)

部下の行っていた仕事に何があり、どこまで進んでいるのか、クライアントとはどうなっているのか、問題は何があるのか、優先順位はどうなっているのか。

私の職場は割と分業なので、部下がどんな仕事をしているかはある程度は把握していますが、詳細までは本人にしかわかりません。

こういったことをすぐに調べなければいけなくなります。

それだけでも一仕事です。

「なんで辞めちゃうの?」

とか、

「なに退職代行サービスって」

なんて言っている暇もありません。

しばらくは21時、22時まで働く日々。

当たり前のような休日出勤。

きっと妻からも、

「また仕事なの?いつ帰ってくるの?」

と冷たいまなざしを向けられます。

そんな元同僚を生み出してしまうのが退職代行サービスです。

せめて一週間でも二週間でも引継ぎがあると助かる!

引継ぎをするいとまがなくても、せめてメモだけでも!

切実にそんなことを思うことでしょう。

本人も気まずくなる退職代行サービス

退職代行サービスを利用すれば、挨拶も引継ぎもなく急に職場からいなくなります。

当然会社に残された人たちとの関係は悪くなりますよね。

これまでのように連絡を取ることはできないと思っておきましょう。

また、仲の良かった人や、お世話になった先輩に対して心苦しいと感じる人も。

 

とはいえ、ふつうの退職ができず、退職代行サービスを利用しようという時点で、会社との関係があまり良くありません。

一刻も早く距離を置きたいケースが多いためそこまで考える必要はないかもしれません。

退職代行サービスを利用するなら考えておきたいこと

それでも、やはり退職代行サービスを利用したいと思うなら、いくつか考えておいた方がいいことがあります。

以下でそれらを紹介していきます。

退職代行サービスのトラブルもあるということ

基本的には、退職代行サービスによる退職率はほぼ100%とされています。

ですが、すべてがうまく退職できたわけではありません。

〇職場の人から頻繁に電話がかかってきたり家に訪問をされたりした

〇有給休暇の消化を認めてもらえなかった

〇お金だけ受け取って退職手続きを行わなかった業者がいた

〇辞めた職場から必要な書類を送ってもらえなかった

〇職場の顧問弁護士がでてきた

といったトラブルの話があります。

今は退職代行サービスを扱う業者も増えてきているため、中には質の悪い業者が混じっており注意が必要です。

どの種類の退職代行サービスを利用するか

退職代行サービスを利用するにあたってどういった業者を利用するかを考える必要があります。

退職代行サービスには大きくわけると3種類があります。

〇弁護士資格等のない退職代行サービス

〇弁護士資格等を持っている退職代行サービス

〇労働組合

〇弁護士事務所

です。

一番大きな違いは弁護士資格を持っているかどうか。

デメリットの部分でも、業者によっては未払いの残業代や有給休暇の消化ができないと書きました。

こうした交渉を行うことができるのが弁護士資格を持った人に限られています。

弁護士資格がない場合、できるのは依頼者の退職の意思を伝えることだけです。

 

ただ当然ですが弁護士資格を持っていない業者の方が、実施してくれる範囲が狭いかわりに料金が安くなります。

一覧にすると下記のようになります。

【サービスの内容】

弁護士事務所≒弁護士資格のある業者≒労働組合>弁護士資格のない業者

【サービスの料金】

弁護士事務所>弁護士資格のある業者≒労働組合>弁護士資格のない業者

【信頼性】

弁護士事務所≒弁護士資格のある業者≒労働組合>弁護士資格のない業者

どこまでの内容を依頼したいのか

退職代行サービスを利用するにあたり、あなたが何を求めているのかを明確にしましょう。

〇とにかくいますぐ辞めれればいい!

〇やはり残業代くらいは払ってほしい

〇いや有給休暇もしっかりと消化してから退職したい

〇退職したあとのサポートのしてほしい

〇元職場が一切連絡もしてこないようにしてほしい

といった風に、求めるものは人によって違います。

何をしてほしいのか、それを実現してくれるのはどの退職代行サービスなのかと考えることが重要です。

いざ、退職代行サービスを利用したのに希望と違うことしかしてくれなかったでは困りますよね。

おすすめは弁護士資格のある退職代行サービス

弁護士資格は所持していた方がよい!

実際に退職代行サービスを利用するとき、どういった業者を選べばいいのか。

私であれば、弁護士資格を持った退職代行サービスを選びます。

安価な退職代行サービスがたくさんありますが、弁護士資格がないと、本人の退職の意思を伝えるだけで終わります。

もし、職場側がそれを認めず、本人と交渉したいといってくる場合、それ以上のことができません。

少しでも円満に退職を望むのであれば、弁護士資格は必須です。

弁護士事務所とどちらがよいか

弁護士の資格が必須なら弁護士事務所はどんなのか。

もちろん弁護士事務所でも問題はないと思います。

信頼できる弁護士がいるのであればそちらにお願いするのも一つの手です。

ただ、もし弁護士事務所にするなら、退職代行サービスを専門にしている弁護士事務所弁護士資格のある業者がいいと思います。

 

〇すべての弁護士事務所が退職代行サービスをしているわけではない

〇実績数は、専門で行っている方が圧倒的

〇実績が多い分、ノウハウやトラブルの対処法も熟知している

〇金額も通常の弁護士事務所の方が高額となる

といった理由からです。

業者を選ぶポイント

退職代行サービスの業者を選ぶポイントとしてまず確認したいのは、実績数です。

どのホームページを見ても、やはりとてもいいことが書いてあります。

ただ、所詮は言葉であり、実際にどれくらいの人が退職できたのかというのが信頼につながります。

 

次に確認したいのは、何をしてくれる会社なのかです。

上記したように、あなたが望むに内容を本当にやってくれる業者なのかが大切です。

電話やメールで問い合わせる際は、事前に希望を一覧にしておくことをすすめます。

 

有名な退職代行サービスはいくつかあります。

【SARABA】【退職代行サービスのNEXT】【EXIT(イグジット)】【ニコイチ】【辞めるんです】といった業者があげられます。

これらの業者は、実績数も多く、金額も2万円台~5万円程度となってリーズナブルです。

 

例えばこの中の【退職代行のNEXT】のホームページでは、実施内容の例として、

〇退職日の交渉

〇有給消化の交渉

〇引継ぎに関する交渉

〇私物の引き取り

〇貸与品の返却の連絡

〇離職票の発行依頼

といったことが書かれいます。

専任の弁護士事務所が行っている業者になります。

【引継ぎに関する交渉】は重要ですね!

ぜひぜひ残される側としてはこういう業者が増えてほしいです。

これらの有名な業者だとホームページにある程度書かれているのでまずは目を通してみてください。

メールフォームから相談できるホームページもあります。



おわりに

ここまで、退職代行サービスについて紹介してきました。

私自身、最初にこのサービスのことを聞いたときは、

「そんなことを商売にしている人がいるなんて」

と思いました。

しかし、実際に家族や友人のことを考えてみると、必要な仕事なのだと感じます。

 

仕事を辞めようと思っても、周りへの迷惑や、どう思われてしまうのか、家族をがっかりさせるのではないかと考えてしまいがちです。

でも、一番大切なのは自分自身です。

どうしても働くのがつらいなら、自分を犠牲にする必要はありません。

退職というのは逃げではありません。

これからも自分の人生のステップだと考えてみてください。

私の弟にしても、友人にしても、退職・転職をして後悔している人はいません。

彼らはそこから新しい道をしっかりと歩んでいるからです。

退職を選ぶにしても、そのまま働くにしても自分自身を大切にできる決断ができればと思います。