小説

『ハリネズミの願い』自分に自信がなくて、臆病で孤独なハリネズミの物語。

何かをしようとするときに、

「こんなことをしたらどう思われるだろう」

と不安になった経験がどんな人にでもあることでしょう。

 

この本を読んで、自分の臆病な気持ちで一歩踏み出せなかった過去の出来事が思い起こされました。

今日紹介する本は、トーン・テレヘン著 長山さき訳の、

『ハリネズミの願い』です!

 

私がこの本を知ったきっかけは2017年の本屋大賞です。

本屋大賞翻訳小説部門を受賞しています。

また、2016年には、啓文堂書店文芸書大賞にも選ばれています。

 

2016高校ビブリオバトルのグランドチャンプが紹介した本としても有名です。

ビブリオバトルについては、動画でも見れるので興味がある人は検索してみてください。

 

『ハリネズミの願い』のあらすじ

主人公はハリネズミです。

 

このハリネズミは自分に自信がなくてとても臆病です。

でもとても孤独でそれを寂しく思っています。

 

ほかの動物たちは、お互いの家を訪問しているのだろうと考え、自分の家にも訪問してもらおうと招待状を書くことを考えます。

 

”親愛なるどうぶつたちへ

ぼくの家にあそびに来るよう、

キミたちみんなを招待します”

 

でもハリネズミはしばらく考えたあとこう付け足します。

”でも、だれも来なくてだいじょうぶです”

(トーン・テレヘン『ハリネズミの願い』より

 

そんなことを書いたら誰もきてくれませんよね。

結局ハリネズミはその招待状を出さずに仕舞います。

 

来てほしい気持ちはあるけれど、本当に誰かが来ることに不安を持っているのです。

 

クマが来たら家を壊されてしまうのではないか……

カメとカタツムリは歩みがゆっくりで家にたどりつけないのではないか……

自分のハリがどうぶつに引っかかってしまうのではないか……

たくさんのどうぶつが一斉に来たらおもてなしができないのではないか……

 

そんな風に考えてしまって、何度も招待状を書くのにずっと出せずにいます。

 

おもてなしのケーキを考えるときも、訪問するどうぶつすべてが気に入ってくれるように、

”ハチミツケーキであると同時に、泥、生クリーム、オークの樹皮、乾し草、海の泡、オドリコソウ、タチアオイ、スイレン、コケ、その他さまざまなケーキでもあらねばならない”

(トーン・テレヘン『ハリネズミの願い』より)

と考えます。

でもそんなケーキは誰もほしいと思わないと気づいて諦めます。

 

その後も、ハリネズミの妄想は止まりません!

ひたすらネガティブな妄想を繰り広げています。

 

全部で59ある小さな物語のうち、実に57がハリネズミによる妄想です。

どれだけネガティブなハリネズミなんだろうと思いましたが、最後の2つの話で心が温かくなりました。

 

これは不安で踏み出せない人に贈る物語

『ハリネズミの願い』は、動物たちによるかわいい物語という見方もできます。

でも読み進めていくうちに、

「自分にもこういうところがある」

と感じる人が多いように思います。

 

私も、何かをしたい!こんなことを言いたい!と思っていても、

〇変な風に思われたくないから

〇もうこんな年だし

〇そういうのは苦手だから

〇迷惑になるんじゃないか

いろいろなやらないための理由をつけて生きてきたように思います。

それは今でもそうなのでしょう。

 

主人公のハリネズミはまさにそうですね。

ありもしない、起こりようもない妄想を広げて、やっぱりやめておこうと考えてしまいます。

ハリネズミの書いた出せていない招待状で引き出しはいっぱいです。

 

ハリネズミの場合、招待状を出すこと。

私の場合、怖がらずに行動すること。

 

実際にやってみると、大したことがないケースの方が人生には多いのにそうやって躊躇してしまうこと実に多い。

自分もそうだなと思う人にぜひ読んでほしい一冊です。

 

終わりに

元々は、この本を妻に読んでもらおうと思って購入したものです。

妻のために買ったのに、結局私が気に入ってしまっているのですが。

 

妻も私も少し自分に自信がなく、なかなか行動に移せないところがあります。

でもこの本をきっかけに、

「うまくいかないのではないか」

「自分には向いていない」

といった考えにとらわれず、やりたいことに一歩踏み出す勇気を持ちたいと思います。

 

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