小説

宗田理さんの『ぼくらの七日間戦争』 小学校でも人気のぼくらのシリーズ

『ぼくらの七日間戦争』 宗田理

 

舞台は東京の下町。

ある中学校の1年2組の男子生徒が、1学期の終業式の日に姿を消します。

親たちが必死に探すけれどどこにも見つからない。

実は、男子生徒たちが事前に計画をして、荒川河川敷の廃工場に立てこもっていたのです。

FM発信器を使い、FMラジオから、廃工場を大人たちの立ち入れない、解放区とする宣言をします。

子どもたちを校則でしばる教師や、勉強をするようにうるさくいう親たちに反旗をひるがえしたのでした。

そんな中、解放区に参加できていなかった男子生徒が、誘拐をされていたことが発覚し…。

 

 

宗田理さんが書いた「ぼくらのシリーズ」の第一作目。

『ぼくらの七日間戦争』は1985年に文庫として書き下ろされました。

その後も2018年現在までにシリーズ12作品が出版されています。

 

1988年に映画化もされていて、原作とは違って戦車が登場します。

宮沢りえさんの主演第一作目として注目を集めていたようです。

 

 

読んでみて、言葉自体はとてもかんたんでわかりやすいです。

子どもでも読みやすい内容なので,本を読むのに慣れていない人でも、苦もなく読めるように思います。

 

子どもたちが、解放区に攻め込んでくる大人たちを撃退するシーンは、爽快で気持ちいいものがあります。

権力側が負けるというのも、ときには大事だなと思います。

 

 

全学共闘会議の話が出てきますが,それがなんなのか知らない人も多いですよね。

私も学生がデモをしていた時代を詳しく知りません。

これを機会に、一度そういった文献にも手を伸ばして方がいいなと思いました。

 

大人たちがいう、

 

「これはお前たちのためなんだ。」

 

という言葉の裏にある,そうでない部分というのを子どもはしっかりと分かっています。

 

単純な物語としてのおもしろさだけではない。

向き合うことの難しさと大切さ,子供をただ子供と思うのではなく,どこまで一つの人格として尊重すること,多くのテーマが含まれた一冊です。

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